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余計なものを手放していく
先週末、映画『ファーストキス』を観た。エンディング曲に耳も心も奪われた。優河さんが歌う「灯火」。その瞬間、強く記憶に残っているのは、彼女の「next to you」という楽曲だった。
優河さんの声は、まるでかき氷に使う高級な氷のように澄みきっている。濁りがなく、透き通り、ほんの少し聴いただけで現実世界から遠くの夢へと連れて行かれるような感覚になる。なんて素敵な声なのだろう。
そんな優河さんが、とあるポッドキャストで語っていたことに強く共感した。
自分には癖がないと思っていたけれどめちゃくちゃ癖があって、でそれを外していく作業とか。自分がもともと持っているその声を、どこまでエゴをなく出せるか。ただの管でいられるか。
この考え方に、プロフェッショナルを感じた。なぜなら、コーチングでも同じことが言えるからだ。話を聴く上で、細かいコメントは相手の内省の邪魔になるし、偏った物の見方などがあった場合は話す気も失せるだろう。
癖とは何か?私は、それを「この世界で生き抜くために身につけた手段」だと考える。過去のある時点で、必要に迫られ意識的に身につけたもの。それが、いつの間にか無意識にできるようになった。
だが、時間が経ち、世界も自分も変化する中で、その癖は今も必要なのだろうか? かつての自分を守ってくれたものが、今の自分を縛るものになってはいないか。
気づき、手放し、アンラーニングしていく。それは、30代を越え、40代半ばを迎えた私にとって、今まさに必要なプロセスだ。
余計なものを纏わず、ただの管でいられる透明なコーチでありたい。