裂から着物へ
秋風が心地よく感じる季節になりました。
嵯峨校のまわりの植物は、季節の花が咲き、秋の深まりを知らせてくれます。
昨年に設置した特別コースでは、前期の生徒さんが、春から夏にかけて着物を織り上げ、色糸を入れて織る楽しさを予科で経験し、特別コースでは着物という型に、どのように自分が表現したいことを落とし込んでいくのか、デザインが決まるまで、手を動かしながら試行錯誤します。学校は、本科コースの生徒さんたちと、それぞれの作業工程を見せあい、お互いに質問し合っう場でもあります。
1日に数尺織り続け、やがてゴールは見えて来ます。
織り上げた裂を洗って伸子で張ると、部屋一面に積み重ねた日々がよみがえるかのように、気持ちも高ぶります。
織るのに苦労したところ、気持ちよくすいすい織れたところ、もっとこうしたら良かったかも、、思いは巡るのではないでしょうか。
一枚織る期間は決まっていますが、それに費やした自分と向き合う時間は、測れないものです。
織った着物を纏うことも含めて、特別な時間になるのではないでしょうか。
10月から後期の特別コースが始まり、来年の卒業式に皆さんが揃う日が楽しみです。