「働く」におけるダイバーシティについて-長野県上田市にて研修を開催しました
2024年10月30日、長野県上田市にて「第2回障がい者雇用管理担当研修会」において、「多様な人材活用で労働力不足を解消~ダイバーシティを知る、学ぶ、実践する~」の場を、ArrowArrowにて担当いたしました。
1.長野県の労働環境について
はじめに現在長野県にて「ダイバーシティワーク事業」を担っておりますアデコ株式会社・田村様より、長野県労働市場の現状をお伝えいただきました。
長野県就労支援センターJobサポにおいても、登録者は増加傾向にあり相談対応は10,000件を超えているようです。
性別の構成や障害の有無など登録者の状況も顕在化しつつあり、就業決定していく傾向についてもご説明いただきました。
その中でも「働きたい」と思う人の傾向に、フルタイムではなく短時間で働きたいと考える人が多いこと、仕事と生活のバランスがとれることを希望にしていることなどの声が可視化されてきています。
「ダイバーシティ」という言葉の中には多様な人の存在が含まれますが、多様な人が働くことができるような環境整備・必要な制度や取組み、業務を切り出して短い時間で働くことができる仕組みそのものなどが必要であることを明示していただきました。
2.「働く」におけるダイバーシティについて
ArrowArrowからは、「ダイバーシティ」という言葉が当たり前に聞こえている現在において、この言葉の捉え方という前提の部分から、なぜ働く場所でダイバーシティが求められているのかという点を皆さんと学び合っていきました。
そして実際に働く場において「ダイバーシティ」を取り入れている企業の事例をお伝えいたしました。
中でもいわゆる”大企業”という企業形態ではなく、中小企業を含める小さな組織の中で、そもそもダイバーシティが難しいと言われている組織形態において、そのような取組みをおこなっている事例を共有しました。
起点となったエピソードや、そこからどのように組織の中にダイバーシティが拡がっていったのかなど、組織ごとにさまざまなプロセスがあります。
プロセスが違っていたとしてもどの組織も通っているポイント、要点についても触れる機会となりました。
3.ダイバーシティを体感するワークショップ
最後に参加者皆さんと「働き方・仕事のやり方会議をしよう」というタイトルで働く場にダイバーシティを体感するワークショップをおこないました。
働く場を共にする人の中では、目に見えて分かりやすいダイバーシティの分野と、目に見えず本人の申し出や開示がなければ分かりにくいダイバーシティの分野とがあります。
目に見えて分かりやすいダイバーシティの分野は、お互いが声をかけてケアしやすいですが、そうではない場合にどのようにコミュニケーションをとっていくことができるのか、それを体感するワークショップです。
それぞれのグループの中での声が様々にありましたが、印象的なところとして「あなたがどのような働き方を望んでいるのか、ご自分の状況や求めることを伝えてくれなければ、共に働く私たちは理解し合えないのではないか」という声が出てきたグループがありました。
ワークショップの中でそれぞれに挙げだしてもらう「求める働き方」ですが、同じように「短時間勤務」という求める働き方の背景には、違う理由が紐づくこともあります。
ケアしている家族がいる人、ご自身の病気により治療と通院が必要な人、ご自身のもつ障害の状態によって必要な人、さまざまです。
一緒に働くメンバーが共に助け合える働き方として「選択肢がある」ということがどれほど多様な人を救う可能性があるのかを共有できる時間となりました。
今回の場を通して私たちArrowArrowもまた、参加された企業・団体の皆さまの現在の課題や状況から学ぶことがありました。学び合う機会をいただていることに感謝しています。
今回の研修開催におかれましては、以下の組織の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。
主催:上小圏域障がい者自立支援協議会
共催:上田公共職業安定所