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【アラスカ旅日記】 重ね着が過ぎてロボットになる


タイヤがギュルギュルと音をたてる。
車降りて後ろから押して、と夫。
え、ポンコツ非力の私が?!


2番目の宿泊地となるAirbnbはフェアバンクス郊外の森の中にある。

カーナビの到着案内と同時に、敷地内の緩やかな坂で車がスタックしたのだ。

悲しいお知らせ、この車は2WDだという…
で、前輪タイヤが鳴いているわけだ。


ヒヤリとしたが一応全力で車を押したおかげか、何度か挑戦ののち脱出に成功した。

これが山の中じゃなくてよかった…やれやれ。

米を炊きシャケを焼く


これから5日間滞在する部屋は初の民泊。

2階にはオーナーが住んでいて、1階部分を貸し出ししているようだ。顔を合わせることは無かったけれど。

間取りは1DKで、キッチン器具一式が備られているので自炊もできる。

旅の楽しみの一つにご当地グルメがあるが、アメリカでは期待するような美食はほぼないと言って良い。
だからこそクラムチャウダーは希少なご当地グルメだったのだ。
続く外食はお財布にも胃腸にも負担がかかり、身体的疲労にもつながる。

長期旅の際には自炊もしくは持参した食事をとる方が疲労を抑えられることに気づき、今回も米3合、そうめん、茅乃舎の出汁パックなどの日本食を持参した。

あとは地元のスーパーへ買い出しに行って必要なものを調達すれば良い。

早速地元のスーパーマーケットへ向かうことにしよう。


アラスカならではのご当地感を期待したが、入ってみると普通にアメリカのスーパーだった。

地のものとしてはアラスカサーモンの半身が売られており、普段購入しているサーモンに比べると格段に安い。

野菜や肉、豆腐、牛乳などの生鮮品を買い足し、部屋に戻る。


さっそく買ってきたサーモンを切り分け、備え付けのオーブンでまとめて焼いておく。
ご飯1合を小さな鍋で。想定外にうまく炊き上がった。
あとは湯豆腐、お腹へ負担もなく体が温まる。

心と体の準備は整った、空模様はどうだろう。

宿泊したbnb
外に出るたび外灯が煌々と灯るため安全だが
空の観察はできない・・・


フェアバンクスの観光案内サイトでは毎日のオーロラ観測予報を見ることができる。

この日の夜は天候は悪くないが近郊も含めCHANCE : LOWだったため、部屋でのんびりすることにした。


サンタの町ノースポール


翌朝6時。
わずかなオーロラの可能性を期待し早朝のドライブに出かける。

サンタクロースセンター


365日クリスマスを感じられる街として有名で、サンタクロースが住むというノースポール。
この日は26日、サンタも休息を取りたい1日だろう。

99705はサンタクロースの郵便番号とのこと

午前9時、ようやく空が白み始め地平線の一部がうっすらオレンジ色に変化してきた。

オーロラも見られず、サンタにも会えずだったがクリスマスの余韻を楽しみつつ、一旦部屋に戻ることにした。

8:55 夜明けの気配がしてきた


夜に備えて

この日の夜のオーロラ予報はCHANCE: EXELENT
好条件のこの日は一晩粘る覚悟で挑む予定だ。
体力温存のため昼間は出かけずに部屋でのんびり過ごすことにした。

ここぞとばかりにずっと見たかったNetflixでLIGHT HOUSEを見る。
忌憚なき二人の会話は心に沁みる。ホント好き。

森の中の深い静けさは格別で、それに加えベッドマッドは品質がいいし、部屋はぽかぽかと暖かいしで、言葉に表しがたい心地よさに包まれる。
時差やら日照時間が短いことなどが相まって体内時計が混乱する中、過去最上級の午睡であった。

出陣準備、寒さに備えよ!

今夜は絶対オーロラを観る!
強い決意と共に支度を開始した。

寒さに弱い私は、重ね着、重ね着、そして重ね着だ。
上半身はヒートテック、フリース、袖なしライトダウン、薄手のダウン、厚手のダウン。
下半身はヒートテック、厚手タイツ、靴下、レッグウォーマー、もこもこズボン、スキー用ズボン。

これでもかと着たらロボットのようになってしまった。
じんわり汗が出てきて、少々やりすぎかもしれない。

さらにはカイロ、湯たんぽ、部屋にあったブランケットも車に積み込みいざ出陣。

標高が高く見晴らしの良いという観測スポット、クリアリーサミットを目指す。

写真や映像で見たように頭上に緑や紫色のカーテンがゆらめくオーロラを見られるだろうか。期待が膨らむ。

クリアリーサミットにて

時刻は22時過ぎ、すでに10台以上の車が停まっている。

外で空を眺め続ける人もいれば、車内で待機する人もいる。

私も車を降りて空を見上げるが、この時点でオーロラの気配は全く感じられない。
しばらくは外で構えていたが、車に戻り様子を見ることにした。

1時間、2時間と時間が経過しても何も現れない。

車の出入りがあるたびに賑やかになってはまた静かになるの繰り返しだった。

オーロラ、本当に見られるのだろうか…

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