【母方ルーツ#9】 にんじんのおばあちゃんとハスカップ
「にんじんのおばあちゃんちに行こうね」
母方祖母の家に遊びに行くときはそんな風に言っていた記憶があります。
幼い頃の私は母方祖母を「にんじんのおばあちゃん」と呼んでいました。
祖母宅には家庭菜園があり、そこでにんじんを育てていたような気もしますが、どうしてそう呼んでいたのか、もう定かな記憶はありません。
けれども、母方の祖母を思い出すときに心に浮かぶ色は、にんじんのような優しくて元気なオレンジ色です。
祖母が見た開拓の話
母方祖母カルさんは若い頃はたくさん苦労をしてきた人でした。
祖母は北海道厚真生まれですが、曽祖父母の生まれは岩手県で、2人とも幼い頃、両親とともに北海道へ渡っています。
つまり、明治後期、高祖父の代にそこがまだ北海道胆振国と呼ばれた時代に入植しているのです。
母方ルーツの視点から数えてみると、私は北海道移民5世ということになりましょうか。
開拓当時は原野を切り開き、大木の根を掘り返すにも重機はありませんから、馬の力を借り地域の皆で力を合わせなくては作業は進みません。
もちろん先人が既に開拓を進めていたわけですが、拓かれた土地を与えられるわけではなく、更なる未開の土地を拓いてゆかねば自分たちの土地は手に入りません。
荒れた土地を開墾し生きる場所を確保した後も、更なる農地を広げるために曽祖父母の代でも引き続き開拓は続き、祖母が学校へ通う年齢になっても、妹弟のお守りや畑の手伝いをさせられて満足に学ぶこともできなかったのだと話していました。
そんな大人たちの姿を見て育った祖母から開拓の苦労話の一端を聞くこともあったので、「開拓」が決して遠い過去のものでないことを感じていましたし、小学校の社会科で習う郷土史も身近に感じることができました。
結婚後は札幌で暮らすようになり、開拓や農家仕事ではなく、住み込みを抱える町工場のおカミさんとしての苦労も山のようにしてきたようです。
ドーラのような人
若い頃は苦労も多々あったと聞きますが、私の目に映る祖母カルさんは人一倍バイタリティのある人でした。
それを最も思い出すのは、私が大学生の頃、一歳年下のいとこと祖母との3人でシンガポール旅行へ行った時のことです。
祖母は杖をつきながらの旅でしたが、行く先々の説明を一言も聞き漏らすまいといつもガイドさんの横に張り付き、集団の先頭をゆく姿はエネルギーに満ちていました。
目がぱっちりした洋風の顔立ちで、好奇心と遊び心のあるお茶目な人柄とエネルギッシュな姿は、天空の城ラピュタに出てくるドーラのようでした。
苦労も多かったという母方祖母のルーツについて少しずつ紐解いていきたいと思います。
祖母の生まれた場所
祖母が生まれたのは北海道厚真町。
2018年9月の北海道胆振東部地震では土砂崩れや家屋倒壊などの甚大な被害を受けたことでも、記憶に新しいかと思います。
道内全体で数日間停電が続き「ブラックアウト」という言葉を初めて耳にしました。
札幌の実家も、電気復旧まで数日かかったとのことで、あれやこれやら工夫しながら過ごしたそうです。
余談ですが、停電の日々で母は土鍋でせっせとおにぎりを作っては町内の高齢の方へお届けしていたそう。
いつも癒しはおにぎりなのです。
ハスカップ日本一
厚真町は一部海にも面していますが、お米がおいしい水田と農業の町というイメージがあります。
そしてハスカップ日本一の町との情報あり。
ご存知でしょうか?ハスカップ。本州の方にはあまり馴染みがないかもしれませんね。
ブルーベリーのような深紫色の果実ですが、形が楕円形なのが特徴的です。
ハスカップを使ったお菓子といえば、古くは「よいとまけ」がありますが、実は私も食べたことはありません。
手がベッタベッタになるともっぱらの噂ですが、やはりそこは銘菓の名を持つだけあって味は確かのようです。
私がお勧めしたいハスカップのお菓子はmorimotoのハスカップジュエリー。
これこれ。これです。
morimotoは、道民ならもはや知らない人はいないほど有名菓子店です。
千歳空港でもそれなりの存在感を放っていますし、最近では北海道物産展でもちらほらお見かけするようになりました。
それでもまだまだ六花亭やロイズなどの知名度には及ばないところで、職場のお土産としては「何処かのお菓子」との認識しかされないため、反応はやや薄めです(笑)
このハスカップジュエリーは、ハスカップジャムの強い酸味と香り、クッキー、そしていい仕事をするミルクチョコレートの帯が絶妙なバランスで、満足度が高い逸品です。
次回北海道旅行のお土産、もしくは北海道物産展などで見かけた際はお手に取ってみてくださいませ。
・・・あれ。なぜかmorimotoの広告をしてしまった。
というわけで、私の中では美味しいお米とハスカップのイメージが強い厚真町です。
おまけ お隣りむかわ町
ちなみにお隣のむかわ町といえばししゃもの町です。
ししゃもなんて別に…そう思ったあなた!
本物のししゃも食べたことありますか???
スーパーで売っている「ししゃも」あれは本ししゃもではなく、カラフトシシャモという代用魚です。
これももちろん、十分美味しいですが身は小ぶりですよね。
本ししゃもはお寿司にできるほど身がしっかり厚く、焼いても脂がジュワジュワ出てきます。
食べ応えが全く違います。
本ししゃもは高級魚かつ幻の逸品なのですよ。
おかしいな・・・
食べ物紹介記事になっている(笑)
そんな厚真町にご興味持っていただけましたら嬉しいです。
あ、でも私もまだ1回しか行ったことがない厚真新参者です!
近々、母方祖母の岩手ルーツ旅を控えているので、少しずつ「にんじんのおばあちゃん」についてまとめていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
続く
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