【ルーツ旅日記 #1】 鉄と魚とラグビーの街 釜石
とんだ珍騒動を経て無事に家を出たのはまだ夜明け前の午前4時15分。
東北道、三陸道経由で一路釜石を目指します。
利用して初めて知ったのですが、三陸道は現在「復興道路」として利用無料なのだそう。
Googleマップで経路しか検索していなかったので、当然この区間も有料の認識でいたので料金所を通過して初めて無料であることに気がついたのでした。
しかも三陸沿岸道が全線開通したのは昨年12月末ということで、まだまだ震災復興は道半ばなのだということをここでも感じさせられました。
そう。今回の旅は私自身のルーツをめぐる旅でもありますが、東日本大震災後の三陸を知るための旅でもあります。
震災直後から、1年後、3年度、5年後、そして今回と幾度か海岸の町を訪れているものの、石巻より北へ向かうのはこれが初めてです。
途中休憩を挟みながら、釜石郊外の「道の駅釜石仙人峠」に着いたのが午前10時前。
高速道路の混雑もなく、実質5時間ほどの、ほぼ予定通りの移動時間でした。
この道の駅では何故か「TOKYOラスク」が売られており「憧れの東京」と哀愁たっぷりに手書きのPOPが書かれていました。
TOKYOラスクは釜石で作られているそうです。
鳥瞰図がとても細かく描かれていたので、我々も街の様子を俯瞰しながら最初の目的地、岬の先端にある「釜石大観音」の場所を確認しました。
市街地を少しだけぐるぐる見て大観音を目指します。
釜石大観音へ
最初に目指したのは、釜石のランドマークである釜石大観音。
さまざまな天災で亡くなられた方の鎮魂と現世の人々の救済を願って「明峰山石應禅寺」の発願にて昭和45年に建築されました。
高さ48.5メートル、海抜120メートル、観音様の胸部が展望台となっていて、釜石の街、海が一望できます。
観音様の足元に辿り着くまでも、長いエスカレーターを昇ってきたので、この位置でもすでにかなりの高台です。
ここからも十分に釜石湾を見渡すことができます。
眼前に広がる海は湾口防波堤内外ともに穏やかで、こんなに静かな海が全てを飲み込むほどの津波となり、港や街の中まで押し寄せてくるなど、とても想像できません。
あまりにも静かで雄大な景色にしばし見入ってしまいました。
さて、それでは大観音の胎内に入り、展望台までいきましょうか。
螺旋階段をグルグル昇り、11階部分を目指します。
ゼーゼー、ハーハー・・・
途中外の景色は見えません。
一階昇るごとに、七福神が安置されています。
ゼーゼー、ハーハー・・・
さすがに息が切れてきます。あと少し。
そして11階。
視界が開けます。
強い風に煽られながら、外に出るとどこまでも続く青空とふわふわ浮かぶ白い雲。
ほんの少し空に近づいた感じがしました。
そして先ほどよりも釜石湾をさらに広く見渡すことができます。
防波堤の外海へ出ていく船がなんとも可愛らしい。
本当に静かな海です。
湾の入江はエメラルドブルーで、新緑とのコントラストが美しく輝いていました。
いつまでも眺めていたい、そんな景色でした。
ゆっくり景色を堪能し、お参りの記念として御朱印をいただき、大観音を後にしました。
駐車場までの数メートルの間に数件のお土産屋さんがありましたが、すっかり寂れた様子で閉店していました。
そんな中、リノベーションされたカフェが一軒、そして地元作家さんの雑貨を扱う店舗が一軒ありました。
釜石を盛り上げようという地元の若い方々が経営されているのでしょうか。
店頭のオープンスペースに置かれた可愛らしいSUBARU360「通称てんとう虫」に心奪われ遠巻きに眺めていると、店主の方が「どうぞご自由にご覧ください」と声をかけてくださったので、中までまじまじと拝見させていただきました。
現役で走行可能だそうです。
しばし店主のお兄さんとおしゃべりを楽しみ、可愛らしいポストカードを購入しお店を後にしました。
時刻はまもなく12時。
次の目的地、釜石駅に向かいましょう。
ランチを求めて釜石駅周辺へ
旅先では必ずその街の駅に立ち寄ることにしています。
やはり街の顔ですから、その街の様子を知るには良い場所です。
駅前すぐに製鉄所がありました。
さすが鉄工業と共に発展した街です。
こじんまりとした駅舎の隣には市場、食堂、土産屋などが入った「シープラザ釜石」・「サンフィッシュ釜石」があり、当初海鮮丼を食べようと目星をつけていた店「みや川」もこの中に入っています。
本日のランチ第一候補のお店でしたが、混雑しており待ち時間もかなりあるようだったので、ここは諦め別のお店を探すことにしました。
と、目に入ったのはMIFFY CAFEの看板発見!!
か、かわいいっ!
もちろん事前情報としてMIFFY CAFEがあることは知っていましたが、駅前の絵本型の看板を見た瞬間思わず駆け寄ってしまいました。
駅からカフェまではおよそ600メートル。
とりあえず行ってみましたが、こちらも行列ができるほどの賑わいです。
Instagramでチェックした限定ランチプレートもカフェラテも魅力的ですが、ゆっくりカフェタイムを過ごす時間はないのです。
今回はお店の利用はせずに雰囲気だけ楽しんで、MIFFY CAFEを後にしました。
ということで、腹ぺこの我々が釜石ランチに選んだのは・・・
ラグビー民御用達(?!)ボリュームたっぷりの町の食堂「工藤精肉店食堂部」
釜石は海鮮の他に釜石ラーメンが名物とのことですので、この店に入った時点ではラーメンを注文する気持ちでした。
ただ、隣のお客さんがあまりにも美味しそうにカツカレーを食べていたので、寸前で「やっぱり私、カツカレーにする!!!」と宣言し、明らかに大皿大盛りすぎるこちらをチョイスしてしまいました。
この大きさ伝わるでしょうか。
一般的な四角いトレーをほほ占拠するほどのカレー皿です。
肉厚のとんかつの食べ応えも十分、さすがお肉屋さんのとんかつです!
カレーもしっかりスパイスが効いた辛口でありながら、フルーティーで美味しかったです。
夫は釜石ラーメンとカレーのセットにしました。
ラーメンの写真は忘れました・・・
お肉は半分夫にお譲りしたけれど、お腹が破裂しそうです。
明らかに食べすぎました。高校生かっ!
ちなみに九州に住む高校生の甥っ子2人はラグビー部所属。
しかも強豪校で本格的に取り組んでいるので、ラグビー漬けの日々のようです。
数年前まで小さくて可愛かった甥っ子が、年々想像を超えて「でかく、ゴツく」なっていきます笑
いつか釜石でラグビーをプレーする日もあるかしら。
お腹も満たされたので、次は「釜石市郷土資料館」へ向かいます。
く、苦しい・・・
続く。