2023.7.31 理科 フックは「フックの法則」がすべての固体にあてはまることを発見していた
「フックの法則」は、「ばねののびとおもりの質量は比例する」と学習します。
これでは、生徒は「ばねという特別な道具での、特別な話だな」と思ってしまいます。
しかし、フックは「フックの法則」が、すべての固体に当てはまることまで明らかにしていたのです。
「物理学入門」(板倉聖宣 江沢洋 著)より抜粋
フックは論文で次のように言っています。
「以上すべてのことから考えて、次のことが明らかである。すなわち、弾性体というものはすべて、引き伸ばされたときでも、押し縮められたときでも、あるいは曲げられたときでも、それが元の位置に戻ろうとする力は、かならず、それが移動させられた長さに比例すると言うことである。また、この関係は、これらの物体(らせん状に巻いたばねなど)だけではなく、金属・木・石・焼き物・毛・角・絹・骨・腱・ガラス・その他弾性体ならばどんなものでも見られることである。ただ変形される物質やその形によって多少の違いがあるだけである。(上の写真は、フックの論文の挿図)
このフックの重大な発見を力学教育に導入することによって初めて、生徒は垂直抗力の正体をよく理解することができます。
また、「人が床を蹴ってとび上がるしくみ」においても、
「足で床を蹴ると、床にはばねの性質があるので少し変形します。そして元の形に戻ろうとして足を押し上げているのです」と理解できます。
「先生、床はトランポリンと一緒だね」と言った生徒もいました。
このような豊かな物質観を育てるためにも、フックの重大発見を大いに利用したいと思います。