世界は積読に溢れている 2
たくさんの本に囲まれると、軽く我を失うことがある。
大型書店や図書館などで、書架に並ぶ膨大な数の本の渦中に立ち尽くし、その中で既読の本など砂漠の中の一粒の砂に過ぎず、こんなにも読んだことのない本があってどうしたらいいのだろう…と眩暈を覚え途方に暮れる。
どうしたらいいのだろうも何も、そもそもお前はこれを全部読むつもりなのかと、心の片隅で冷静な自分は言っている。しかし常日頃、なるべく多く本を読みたいなどと考えている人間は、圧倒的な物量に簡単に呑み込まれてしまうのだ。
なんということだろう。この世に存在するすべての本を読むことは不可能だ。大袈裟に意味不明に嘆いたりとかして。
大量の本を前にして絶望を感じ、だけど同時に、まだ読んでいない本がこんなにも残されているということにわくわくが止まらない。
ここにある本のすべてが、自分の読むべき本である。盛大な勘違いだけど、解釈によっては正しい。
また思う。ある意味積読だなと。
書店のあの本も図書館のその本も、お前のために用意され、積み上げられているのだ…!家の中に読んでない本が堆く積み上げられていても、恐れることはない。
世界は積読に溢れている。
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