暗くて美しい夜明け

 こんなにもつながっているのに、何も関係のない人たちがこの世の中にたくさんいて、その人たちの考えることにたまさか触れることがあると、とても驚いたりする。
 驚きはするのだけれど、理解しないと本当は驚くことさえできないのではないかと思えば、その驚きが的を射ているのかもわからない。
 つながっているのだろう。身に迫って感じる。でもとても遠い。
 日本語で言語化されているから日本語としてはわかる、と思う。でもわかるって、どういうことなのか。
 わからないということを認め、でもその上でわかろうと努力すること。わかった気がしても、それでもわかったと思わないこと。想像し、考え続けること。

 容赦なく昇る太陽も、じわりと明るくなる一面の曇天も、どんな夜明けも夜明けであるというだけで美しく、またつながっていくのだと、遠く近く感じる。


#それで君の声はどこにあるんだ
#榎本  空

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