音声サービスは拡大するのか
SpotifyやAppleなどのポッドキャスト、AudibleやAudiobookなどの書籍の音声化、Radikoなどのネットラジオ、VoicyやStandFMなどの音声メディア、彗星の如く登場したClubhouse、TwitterのSpaceなど、確実に音声サービスのニーズも利用も存在するものの、まだ一部のユーザーに限られているのは否めません。
歩きながら聞いたり、何か作業しながら耳で聴くことができるのは、映像メディアとの棲み分けになっているのは間違いありません。
基本的には何かしらのメディアを利用している時間の一部が音声メディアを利用する時間へ移行すると思われますが、どこからどこへ移行するのかというのは未知数です。もしかすると、移行しないということもあり得ます。
ざっくり各メディアのユーザー規模は上記の通り。音声サービス全体で市民権を得るためには、今のTikTok程度、最低1000万人ぐらいのアクティブユーザーを超えないと一部のファンのメディア止まりになってしまいます。
音声サービスの興味度で分けると、親和性の高いのはSNSユーザーや動画系サービスのユーザー。いずれは、音声サービスに興味があるわけではないが認知することや潜在的な興味の創出で新規ユーザーとなるのが理想かと思います。
利用軸で考えると、ブログ全盛期もそうであったように、子育てママ層はメディア利用が一定量定着すると思われますが、社会人のビジネスニーズ(ニュースや知識)など、複数の利用軸が考えられると思います。未来を考えると10代のうちからの習慣化も一つの軸なのでしょう。
ちなみに、インフルエンサーとしてのママタレントは上記。
またYouTuberの動画投稿疲れや動画Podcastなどの動きを見ると、YouTubeからのユーザー移行という観点も大きいと思います。ただ、当然音声との相性の良いカテゴリとそうでないものあると思います。(音声メディアの特性とも影響すると思われます)。
ゲームや音楽PVなどのエンタメは映像メディアとの相性が良いでしょうから、隙間となるカテゴリをピックアップするならば、雑談系、料理系、スポーツ系、美容系などでしょうか。実際は全年代をまとめて考えるよりも、ライフステージごと年代別にターゲットを定めていく方が音声メディアのコンテンツもイメージがつきやすいかもしれません。
いずれにしても、ビジネスとして継続していくには、コンテンツの充実によるユーザー獲得と並行して広告収益モデル及びユーザーからの課金モデルをベースにして、売上を安定的に作れる状態が必要なのは言わずもがなです。
現在のYouTubeや全盛期のブログを参考にすると、やはり広告モデルが中心になるでしょうか。もしくは、大企業による他事業であげた収益を利用して音声サービスを運営し、音声サービスのユーザーが他事業に回遊するようなモデルもあるのかもしれません。(音声サービス単体では収益が出ないが、他事業を含む全体では相互作用して収益が拡大するという仮説で)
それにしてもClubhouseがあんなに一気に来たのに、萎んでしまったのは残念です。逆に音声サービスのポテンシャルを一時的には垣間見れた歴史だったと思います。今後の音声市場も何があるかわからないと言えるのでしょう。