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これが理学療法だ!!

理学療法ってなんだかよくわかりませんよね。何してくれる人なの?どんなことしてくれるの?って感じですよね。なので、今日はちょっとその一例をご紹介。

うちのオカンは、バリッバリのアスリートである。朝からカメハメ波!!っとフラダンスを踊り狂い。昼からはよさこいダンスでダンシング。ダンシング。夜は、プールで何キロも泳ぎまくる。


気が向いたらお仕事なのだ~。っと金儲け。そんな毎日なのでございます。
そりゃ、もう前期高齢者なのですから、それだけやりゃ、ちーっとは、体がおかしくなるのも当然でございます。


と言う訳で、今日は珍しくオカンが、「なんかなぁ。肩上がらんへんねん。」と悲痛な表情を浮かべて私に訴えかけてきた。


どうせ、痛いのはイヤだ。めんどくさいのはイヤだ。と治療にいちゃもんばかりつけるオカンのことだから、私はたいてい。


「いちゃもん言えるほどしか困ってないような症状は、何やってもとれん。飼っとけ、飼っとけ。」


とほとんど相手にしないのだが、今日は少し様子が違っていた。


「今日はホンマに痛いねん。痛い治療でも我慢するから治してーな」
と、珍しくしおらしい言葉をかけてきたではないか。

(じゃあやっぱり、いつもの「痛い」はホンマではないのだな。という意地悪突っ込みは、心の引き出しにそっとしまっておこう。(笑))


「治療したってもええけど。痛いで」


本当はさほど痛くないのだが、それでもやってくれと言ってくれば本当に困っている症状であるということである。痛いで。の一言でひるむような症状だったら、ほったらかし決定。


すると、オカンは「わかった。我慢する」なんと!意外なお言葉。こりゃ、数年に一度の「ホンマもん」の困った症状なわけだ。いつもの、適当な訴えとはわけが違う。


ならば、理学療法適応!!!


ちょっと肩凝った。とか、なんか腰痛いねん。なんかちょっと膝痛いねん。的な我慢できる程度の症状は、理学療法ではほとんど治らない。


少しの不具合でも人の脳は反応するので大げさに周囲の人に言いふらかす。すると、若干の痛みや不具合は軽減されるのである。そういう構造になっている。ただ、痛いだのしんどいだのと聞かされる方は、ダメージを受けるので、お医者さんの平均寿命は多職種と比較すると短いんですね~。


なので、その手のやつは、接骨院や按摩さんのところで気持ちよくもんでもらえばいい。


しかし、本当に痛い。とか、もうどうしようもないぐらい困っている症状。に関しては、理学療法は絶大な効果を発揮する。


なので、私は、親や友人の適当なちょっと揉んでーなー。的なやつは、絶対に触らない。


「接骨院に行け。接骨院に」と言って、全く相手にしない。しかし本物の症状は、治せちゃうので、治療することにしている。


今回は、本物っぽいので治療することにしてみました。

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「両手をできるだけ挙げて下さい。万歳してください」
とオカンには指示をしています。


右の肩が完全に上がってませんね~。顔は隠していますが、ここまで上げるだけでも、かなり苦悶の表情でございます。


右肩関節屈曲90度くらいですかね。これだと。
横からも撮ってみた。

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何となく、代償動作が入っているので右肩関節屈曲90度以上上がっているようにぱっと見は、見えますが、やっぱり、90度ぐらいですね。


はい、治療開始。


今日は、約5分~10分程度の治療でした。オカンなので、最短。最速です。サービストークとか、全くいらないので。治療のみ。


理学療法は医療保険では、20分がひと単位なので、無駄な時間も沢山あるのです。


5分で終わっても、15分何かしてなきゃいけないルールなんですね。1時間枠だったら。5分で治療しても、お金儲けのために55分、患者さんを触ってなきゃいけないんですね。無駄。時間と保険料の無駄。ですね。変なルールですね。


でも、日本国の医療保険制度は、そうなっているので、致し方ありません。
しかし、家でやるときは、最短、最速で終わりです。なので、治療時間は5分!!!


五分後でーーす。

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右腕が上がっているのが分かりますかね?


初めの治療前の2枚の写真と、5分治療した後の写真2枚では、肩の上がり方が違うのが見て取れると思います。


(初期評価時は前腕回内位になっとるやんけ!フェイクやフェイク~。コッドマンで制限かけとるだけやんけ~。と、おっしゃる方もおられるかもしれませんので補足しておきまーーす。初期評価時は回内位でしか痛みで腕が持ち上がらなかったわけでございます。つまり、前腕正中位では肩関節屈曲角が45度から50度程度しか上がらなかったわけでございます。最終評価時の上記の写真も別に正中位に前腕をしてもらうように指示を出したわけではありません。あえて、前腕の位置は指示を出さずに、患者さん(オカン)のできる方法で上げてもらうようにしています。痛みが消えれば自然と肩甲上腕リズムが出ているのが見れていますね)


ざっと、屈曲角度は165度はあるでしょうかね。


代償動作は多少出ているものの、初期評価時と比較すると、随分上がっているのが分かります。


腕もぐるぐる回していたので、痛みもほとんど消えています。


治療を終えたオカンは、満面の笑みを浮かべて
「ありがとう。今からプール行ってくるわ」
と言って、スポーツクラブへ出かけて行ってしまいました。


オイオイ。\(^^;ナンデヤネン.


なんのどんな痛みなのかを判別できれば、治療はもう終わっているといっても過言ではありません。治療自体は簡単ですから(笑)


整形外科疾患はすぐに結果が出るから大好き!!(⋈◍>◡<◍)。✧♡


神経・筋疾患や脳血管疾患等の治療ではこうはいかない。


(まぁ、長いこと理学療法士やっていればこれぐらいはできます。特別なことは、なにもしていないです。)


理学療法士を目指して勉強している学生さんたちも頑張ってください。患者さんたちがあなたたちを待っています。


ジャクソンとかアドソンとかペインフルアークとか学校で勉強するよね~。応用です。応用。痛みの理屈が分かっていれば、治療はしごく簡単。


とまぁ、ちょっと先輩ぶってみました。えへへ


どうして今日こんな話をしたかと言うと、いま勤めている施設のスタッフさんに「リハビリって、やってもどうせ現状維持なんでしょ?」といわれたので、「リハビリではなく、リハビリテーション医療を受けた人のほとんどは、改善します。治療過程があって現状維持的管理はその後の後です。」と答えさせていただいた。


リハビリテーションは、なおらないもの。という偏見が世間を闊歩している。その風潮は年々増しているように思う。なので、理学療法の紹介がてら、わかりやすい形で今日はnoteを書いてみました。


リハビリテーション治療が治らないというイメージがあるのは、原因が2つあると考えられる。


一つは「リハビリ体操」のイメージが強いからだ。テレビで「腰痛体操」「ボケない体操」「転倒予防体操」なんてのが、毎日のように繰り広げられている。理学療法において「リハビリ体操」は一つの手段でしかない。

たとえるなら、世の中に数多あるお薬の中で、一種類の薬だけ。例えば、正露丸だけで脳血管疾患、認知症、脊柱管狭窄症からガンまですべての疾患を治そうとしているようなものだ。また、個別性を無視して、「腰痛」とか「転倒」で一括りにしている。

そりゃ、治らない。「リハビリ体操」のイメージが強いのは、国の政策。われわれ、理学療法士に患者を見せれば、お金がかかるので、何とか国民には、家で適当にやってもらうように扇動している。難しい言葉で言うと、これが、「自助」というやつです。

「食べてもリハビリ」「散歩してもリハビリ」というやつですね。国はリハビリテーション医療でお金をかけたくないので、誰でも簡単にできる治りもしない「リハビリ体操」を推奨しているのだ。「リハビリ体操」で予防できちゃうやつもあるので、すべてを否定しているわけではありません。あくまでも、理学療法治療の一部の手段であるということです。


もう一つはリハビリテーション専門職以外が「リハビリ」の名のもとに、リハビリテーション医療もどき。つまり「リハビリ」をしているからです。

「リハビリテーション医療」と「リハビリ」は似て非なるものなんですね~。「リハビリテーション医療」は治療手段。「リハビリ」は概念。なんですね~。全くの別物。

でも、普通の人は分からないですよね~。だからこの国は寝たきり大国なんですね~。専門家が専門的知識をもって治療するという当たり前のことが、この国では利権のやり取りでできていない結果です。職種間の利権のやり取りで寝たきり患者さんを増産している。悲しすぎて泣いちゃいそうです。(´;ω;`)


この記事を読んだ、皆さんは、腰が痛い。肩が上がらん。どこに行っても治らなかった。脳梗塞で手足が動かん。こんなんじゃ、生活しにくい!!と不幸にも「障害」を負った場合は、賢く「リハビリテーション医療」を活用してください。きっと、あなたが素敵な人生を送るための治療を療法士たちが全身全霊をかけてしてくれると思います。


今後とも理学療法・作業療法・言語療法をよろしくお願いします。
(*- -)(*_ _)ペコリ


「どうせ治らない」といわれて、ちょっと文章が怒っちゃってるな~。いかん。いかん。テヘヘ。

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