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「つわりがない」だけで、楽なわけではない

「妊娠した」って報告した時に、99%の確率で聞かれたのが『つわり』に関することだった。
身内や昔から仲のいい友達には、発覚してから早めに報告していたから、ちょうど妊娠2~3ヶ月頃。
ちょうどつわりが出る頃だから、それを心配するのも当然のことかもしれない。

たしかに、ラッキーなのかもしれない

ラッキーなことに、私はいわゆる「つわり」といった症状はそこまで出ていなかった。
もちろん食べ物によっては匂いで気持ち悪くなることはあったし、急に吐き気に襲われることもある。まぁ、異常な眠気によって仕事が思うように進まないことは、日常茶飯事だったけど。

妊娠する前に周りの人からかなりひどすぎるつわりについて話を聞いてて覚悟してたから、想像よりもマシかもな、という認識の方があった。

そして、元々お酒好きで大酒飲みの私にしては、ひどい時の終わりの見えない二日酔いよりはだいぶましだったから(笑)
(お酒飲んでないのに気持ち悪いなんて…って不機嫌な日もあったけどw)

そういう経緯もあって、つわりについて聞かれたら
「全然大したことないから大丈夫だよ〜」って答えるようにしてた。
わざわざ心配されてもしょうがないし、それで治るわけでもないし。

そんな時、大半の人は「よかったね〜」って返してきた。
この発言にもちょっとモヤッとすることはあったけど、自分が逆の立場だった場合にも、それ以外の返しは見つからんな、なんて思ったりした。

こんなちょっとしたことにモヤっとした感情を抱いてしまったのは、何人かから「つわりないから楽でよかったね」という言葉をかけられてしまったからだろう。

「つわりがないから楽」ではない

たしかに、重度なつわりで苦しんでいる方もいるから、それに比べると楽なのかもしれない。
つわりの苦しみは聞いているだけでも吐き気がするほどだから、想像を絶するほどつらいんだと思う。

だから、つわりの症状がそんなになかった私は、ラッキーなのかもしれない。
うん。きっとそうなんだろうな。たぶん。

それでも、
初めての妊娠で分からないことばかり、
私の意思に反して勝手に変化していく体、
コントロールできないメンタルの暴走。

今までと同じ生活を送れているわけではない。

それなのに、「楽でよかったね」、なんて。
どうしたって『全然楽では無いから!!』って言い返したくなった。

そして、だいたいそういってくる人は、その後に自分の苦労話をし出すのだ。

「私の時はつわりがこうで、しんどくて…」
「こんな症状ないでしょ?」

はいはい、あなたがつらかったことは十分に分かった。
だからといって、私が楽だとなぜ勝手に決めつける。
まぁそんな人に何を言ってもたぶん伝わらないし、正直万全じゃない体で反論する元気もないから、なんとなく話を合わせてそっとフェードアウトした。


つらさと感じ方は人それぞれ

妊娠の症状は、本当に十人十色と言われる。
人によって症状は全く違うし、その期間も異なるだろう。

けれどそれ以上に違うのは、同じ症状でもその感じ方は違うということだ。

もしかしたら私に出た症状で、もっとつらいと思う人もいるかもしれないし、もっとひどい症状でも「全然大丈夫」と口にする人もいるかもしれない。

それは感じ方が違うだけかもしれない。
そして、人に心配をかけたくないから強がって言っているだけかもしれない。
誰かに話を聞いて欲しくて、共感して欲しいから伝えてくるのかもしれない。

出ている症状も、その感じ方も、考えていることも人によって全く違うということを、言葉を発する前に少しだけ考えて欲しい、と思う。

特に「妊娠」という、非日常の中で不安と喜びを抱えながら、体も心もその子の母になろうと変化している最中の女性に対しては。

まぁもちろん誰に話す時にも、できた方がいいことではあるけれども。

私と同じように、そこまでつわりの症状が重いわけではなかった方が、同じように誰かの言葉で傷ついたりすることがありませんように。

もし今妊娠6ヶ月を迎えて症状が落ち着いた私が、
つわり真っ最中の妊婦さんに会ったとしたら、
ただゆっくりとその人の話を聞いて寄り添い、「今はゆっくり休んでね」と伝えたい。

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