見出し画像

さあ、今日は何書こう?:元気が出る自由連想のススメ

さあ、今日は何書こう?

こんにちは、ライフキャリアコーチ・臨床心理士Ariです。
スランプ脱出のため、また文章の表現能力を磨くため、筋トレ的にお試しでnote7日間連続投稿チャレンジをしています。

いつも書いているnoteの定型を壊すことすら怖いと感じている自分に、まだ始めて1年ちょっとなのに、あるものにしがみついていることに少し驚いています。

チャレンジ4日目にして、もう「書くことが浮かばなかったらどうしよう不安」が出てきました。

と、同時にちょっと懐かしい感覚でもあるんです。

なぜならば、それはサイコセラピィセッションの出だしの感覚に似ているから。

私が実践していたのは、かなり伝統的な精神分析的心理療法でした。

週1回45分、対面、料金8000円、遅刻したらセッション時間は短くなる、前日連絡以降はキャンセル料金が発生し、セッション中は飲食禁止、セッションで話した内容は部屋の外に持ち出さない、暴力と身体接触の禁止等。

この厳しい条件は心の問題を抱えてセラピィを受けるクライアントの、目に見えない心の中で起きていることを一緒に理解し、問題を引き起こしている心の仕組みを変えていくために必要なものでした。

目に見えない心の世界をセラピストとクライアントが理解するためには、目に見える現実の世界を科学実験装置のような厳格な条件設定をする必要があったのです。

話は戻りますが、

私が今、懐かしい感覚を得ているのは、無意識の存在を前提とする精神分析的心理療法の肝とも言える「自由連想」の感覚を思い出したからです。

フロイトをご存知の方は、彼が自宅で寝椅子に横たわるクライアントの枕元で、クライアントの自由連想に耳を傾けていた風景を思い浮かべられるかもしれません。

ロンドンのフロイト博物館のHPより

自由連想とは【思い浮かんだことはなんでも言葉にする】というルールです

「こんなことをいっちゃいけない」
「これをいったら変な人と思われるかもしれない」
「これをいったら前の発言と矛盾していい加減な人だと思われるから言わないようにしよう」
「これをいったらセラピストは悲しむ、あるいは怒りだすから言わないでおこう」
「浮かんだ理由が説明できないから黙っておこう」

といったノイズ的思考を全て排除して全てそのまま言葉にする方法です。

言いにくいこともルールだから言葉にします
このルールだからというのが結構大切で、真面目で優しい人だからこそ、普段は言えないでいること、心の奥にしまっておくことも、外に出すことが出来るのです。

フロイトの時代から、時代背景の変遷やクライアント像が変化したことによって、精神分析は精神分析的心理療法へ、自由連想は自由連想的対話へ変わりました。

フロイトの時代は週5日分析を受け、寝椅子に寝転んで、無意識を意識化するためにクライアントに完全な自由連想を促し、分析期間中は結婚や離婚、出産等の大きなライフイベントは禁止されていましたが、

今は原則週1回、椅子に座って対面で、クライアントには完全な自由連想ではなく自由連想的対話を促します。

それでも、日常生活の中で「思い浮かんだことはなんでもいう」というルールに飛び込む時間というのは、だいぶレアな時間なのではないでしょうか?

私はこの自由連想的対話の始まる瞬間が好きでした。

クライアントから
話したいことが溢れるように出てくる日もあるし、
疲れて頭が真っ白な日もある、ずっと沈黙していて話し出すきっかけを失う日もある、黙っていることに安心感や心地よさを感じる日もある。

それでも、
目に見えない心を真っ白なキャンパスに描く最初の一筆にクライアントがどんな雰囲気でどんな言葉を発するのか?

ちょっとワクワクしながら、全身でクライアントの声に耳を傾けていました。

「出だしでセッションの全てが決まる」といっても過言ではないほど、クライアントの最初の一言には意味があることが多かったし、セラピストがそこにどれだけのものを感じ取れるかによって、セッションの深みや方向性が定まっていったように感じます。

そんなこんな書いているうちにもう1500文字を超えました(毎日投稿の裏ルールは一記事1500文字以上)。

自由連想って楽しい。

発信するときは、相手の時間をいただくのだから少しでも役に立つ情報でなければいけない、相手にとって意図がシンプルに伝わるもの出なければいけない、発信者の発信はぶれてはいけない。

たしかに全て正しい。

でも、正しいって、結構疲れるんですよね。

だからみなさんも、たまにはリラックスして自由連想的に気楽に言葉を発してみませんか?

知らないうちに元気になるってことも、あるかもしれません、よ。

それでは、また明日。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集