本棚:『ニャン氏の事件簿』
事件の謎を解くのは、実業家のニャン氏。ちなみにフルネームは、アロイシャス・ニャン。タキシードをまとい仮面をつけたような白と黒の猫。
猫が謎を解くといえば、中学の頃によく読んだ三毛猫ホームズ・シリーズを思い出しました。なんとなく、本書は中学生ぐらいがちょうどよいのかなと思ったこともありまして。三毛猫ホームズも、ニャン氏も人間の言葉をしゃべるわけではないので、解釈する、通訳するものが必要なわけですが、ニャン氏、けっこうしゃべります。ニャニャニャニャニャーニャ…と。
ついつい本書を読んでいる間、語尾に「ニャ」を付けそうになりました。以前、友人が時代物の小説を読んでいた時、ついつい「奥方」とか声をかけそうになると言っていたのを思い出し、「奥方」と「ニャ」どっちがマシかな…と考えてしまいました。
猫派なのですが、三毛猫ホームズ以外では猫の出てくる本、あまり読んでないように思います。パッと思いつくのは『夏への扉』。あとは名取佐和子さんの『江の島ねこもり食堂』、次は越谷オサムさんの『陽だまりの彼女』。そうそう、『旅猫リポート』『みとりねこ』を忘れてはいかん。どれもお勧めですが、やっぱりリアル猫が一番なんだろうなぁ。寒い季節ほど、猫が恋しくなります。