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本棚:『親不孝介護 距離を取るからうまくいく』
まず何よりも、介護のプロであっても自分の親は介護できないということを肝に銘じておこうと思いました。親のそばにいること、親の世話をすることが親孝行という強い固定観念がありますが、この沼にハマってしまうと大変です。
これまで読んだ介護の本から、「絶対、介護離職はしない」「公的サービスを利用する」と心に決めていたはずで、そのつもりでもいるのですが、同時に「今はリモートワークができるから、いざという時、実家に帰って…」と普通に思っていました。でも、介護についてみれば、好条件なのではなく悪条件だったのだと気付かされました。
依存とは頼る先が1つしかないことで、自立とは誰にも頼らないことではなく、頼る先が複数あることだと、以前、介護の本で知りましたが、親子だけで介護を乗り切ろうとするとお互いに依存してしまいますから、危険です。
親が老いて、色々なことができなくなり、昔とは違う姿になっていくのを見るのは辛いかもしれませんが、親という役目から外れて、素の自分に戻っていくのだなと。
親の幸せって何だろう。そもそも、わたし自身の幸せもよく分からない…。価値観は人それぞれだから、本当に難しいと思います。でも、少なくとも、そばにいることが親孝行というのは1つの考え方に過ぎず、他人がなんと言おうと、その呪いに囚われる必要はないはずです。