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本棚:『切れない糸』

もうすぐ大学卒業を控えた新井和也。しかし就職先の決まらない中、父親が急逝し、実家のクリーニング屋を継ぐことに。お客さんから持ち込まれる洗濯物の謎を解き明かす…のは、和也ではなく喫茶店でバイトしている友人の沢田。そして、アイロン職人のシゲさんも、なんだか答えをわかっているようで。

和也のクリーニング屋や沢田がバイトしている喫茶店があるのは商店街でして、しかも賑わっているようで、なんだか楽しそう。東京に来て、意外と地方より東京の方が商店街が残っているんだなと思いましたが、本書の舞台も東京。
第二話のタイトルが「東京、東京」でして、あぁ、わたしも東京ってテレビで見る銀座とか渋谷とかのイメージだったなと。もちろん、銀座や渋谷は東京ですが、わたしが今住んでいるところも東京ではあるものの、東京以外でも見かける光景と変わらないと言いますか。田舎者からすると、バスの本数が多いのは、「さすが!」と思いますが、東京じゃなくても都市部ならバスの本数多いでしょうし。東京もいろいろあって、実際に住んでみて、(場所にもよるでしょうが)けっこう普通なんだなと思いました。

さて、和也の実家、クリーニング屋ですが、クリーニングに出すもので、家族構成とか、職業や趣味なども推察できてしまうというのは、言われてみれば確かに!まさか個人情報満載だったとは。ゴミを見れば、その人の暮らしがわかる!と思っていますが、クリーニングに出すものでも、暮らしがわかるのかぁ。クリーニング代を節約すべく、できるだけ自分で洗えるものを…と思っていますが、いいものを長く大切に着るのも素敵ですよね。


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