本棚:『小さな暮らしのすすめ』
東日本大震災の後に出版された本書。それまでの消費社会から、このままでよいのか、本当に必要なものとは?など、考えた方も多いかもしれません。本書は『小さな暮らしの「ぜいたく」』という本から、一部をとり、加筆し、震災後に月刊『望星』に掲載した記事を再編集したものだそうです。
ミニマリストとかタイニーハウスなどという言葉も聞くようになりましたが、依然として大量生産・大量消費・大量廃棄の流れは変わってないんじゃないかなと思います。私自身も今でこそ、できるだけゴミを出さずに暮らしたいと思っていますが、以前はなんの疑いもなく使い捨て製品を便利だなとよく使っていましたし、真剣に今の暮らし方でよいのか?と考えるのは、それなりの出来事がないと難しいかもしれません。3.11はそれほどの機会であったと思いますが、あの時の思いをそのまま持ち続けている人や行動に移した人は、どのぐらいいるのでしょう。
ただ「小さな暮らし」は後退ではなくて、すすめたくなる良さもあると思います。何かが必要になった時に、新たに買うのではなく、いかにして、あるもので暮らしていくかを考えるのは、なかなか楽しいように思います。お金をかけようと思えばいくらでもかけられるけど(元手があれば…の話ですが)、制約があるからこそ頭と体を使って生み出す達成感はお金では買えないでしょうし。