本棚:『出張料理みなづき 情熱のポモドーロ』
「あなたが上手くいかなかった仕事は、たくさんある仕事のうちのたった一つ。」
なんて温かい言葉なんだろう。周りの人と同じようにできないと感じて落ち込んだことは何度もあります。そうかと思えば、誰かが他の人と同じようにできないときに、責めてしまったことも何度もあります。他人に対しても、自分に対しても、たくさんある仕事のうちのたった一つなのに。
主人公の体育会系女子の季実が新卒で入った会社はブラック。2年経たずに辞めたものの、気力を失い、昼夜逆転の生活へ。両親から東京の本郷にいる祖母のところで、しばらく暮らさないかと持ちかけられて行ってみると。祖母の隣には、もう一人の女性がいて…。
料理には、調理器具や調味料など、初期投資が必要なので、ある程度の経済基盤がある人でないと、節約のために自炊もできない、といったくだりがあります。私も大学時代、一人暮らしをはじめたときに、「料理するのにもお金がかかる!」と思ったことでもあります。ただ、今はほぼ調味料は使っていませんし、電子レンジもないわけで。料理というと、レシピ本にあるようなちゃんとしたメニューを連想するからではないかと思います。そうは言っても、料理するには体力と気力はいると思うので、生活に余裕がないと自炊できないというのは分かる気がします。