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不器用という才能

この記事を音声化したものです。内容を少し広げながら収録しております ↓

from:ありのまま@9 #教師生活20年#潜在数秘術士

朝がまもなく始まる静寂の中のリビングより、、、

大学時代の財産といえば、間違いなく仲間。

東京には様々な地域から人が集まる。

北海道、秋田、山形、富山、岐阜、島根、鹿児島

今では全国各地に仲間がいる。

これだけでも大学に通った価値がある

って思っている。

色々な奴がいたけど、一番仲良くしていた3人は

今でも強いつながりがある。

3人ともとびっきりの変なやつ。

そしてパワーがある。

3人と飲み行ったり、食事したり、麻雀したり、、、

大学生がやりそうな遊びばかりしていた。

もちろん部活(野球)もがっつりした。

朝まで新宿で飲んで、翌日の1日中の練習もやった。

「夜遊びした次の練習こそ、いつも以上にしっかりやる」

先輩に教えてもらったな。

この教えは今でも一緒。

大学時代の仲間で僕の概念をひっくり返した男が一人いた。

真面目で真面目で超真面目。

同じ野球部だったけど、

野球はめちゃくちゃ下手だった。

どれくらい下手かというと

ひっくりかえって気絶するくらい。

彼は内野手だったけど、たまに内野フライを落とす。

たまにと書いたけど、多くの大学まで野球を

やってきた人は限りなく0に近いくらい落とさない。

よっぽど風が強かったり、周りと譲り合いをして

落とす程度である。

彼は普通のフライを落とす。

小学生が落とさないフライを彼は落とすのである。

今となれば、原因がなんとなく分かる。

両目の連携が苦手で距離感がつかめないことによるものではなかったかと思う。

そして、打つ方もボールに当たらない、

当たっても内野を越さないほど飛ばない。

正直なところ僕は心の中で見下していた。

バカにしていた。

練習終了後、僕らは着替えて近くの食堂へ行ったり、

おしゃべりしたりして過ごしていた。

そんな僕らの近くで窓ガラスに向かって

素振りしている人がいる。

フライを落とす彼である。

偉いなと思う反面、やっても無駄だよ

って心で思っていた。

すぐに諦めるとも思っていた。

1年生が終わり、2年生に進学。

彼の練習後の自主練は続く。

3年生、4年生になる。

彼の姿勢は変わらない。

それを僕らはずっと見てきた。

彼はチームのキャプテンに抜擢された。

誰もが納得する人選。

4年生最後のリーグ戦。

彼は首位打者をとった。

僕らがいたリーグは東京新リーグの1部リーグで

強豪大学には毎年プロへ行く選手がいた。

そんなリーグで彼は首位打者のタイトルを獲った。

フライを落としていた彼が。

ボールに当たらなかった彼が。

この事実は僕の概念をひっくり返すのに十分だった。

彼は不器用と言える。

でも続けた。

彼は

すぐにできないけど、必ずできるようになる

って信じていたと思う。

だからこそ

小さな小さな積み重ねができ、大きな結果を出した。

周りの誰も手に届かないところに手が届いた。

4年前は周回遅れのビリが4年後にはダントツトップ。

まさに「うさぎとカメ」のリアル版を突きつけられた。

4年で成果を突きつけられたことは僕にとって幸運だった。

きっと大学時代に結果を出せなかったとしても

長い人生の中で力をつけ、結果を出す。

目の前で目の当たりにしたことで僕は人を見る目が変わった。

不器用でも器用でも

「続けられる」人が最終的に伸びる。

続けられるのは不器用な人が多い

っていうのが今の僕の感覚。

もちろんそれには支えが必要。

彼だってくじけそうになったこともあると思う。

「俺はダメだ」って思ったこともあっただろう。

でも彼は続けた。

きっと誰かが支えになり、励ましたのだろう。

不器用って聞いたら、マイナスのイメージを持つ人が多いのではないか。

でも僕は、

将来楽しみ

って思う。

素敵な才能だと思う。

PS

彼は今、何をしているのだろう。

大学卒業してから一度も会ってない。

今度会えたら、その時のことを聞きたいな。

また新しい世界を見せてくれるよ、きっと。

PS2

彼は今、小学校の先生をしている。

フェイスブックでたまに発信を見ているけど、

教師の世界でも活躍しているみたい。

やっぱりなって思った。

PS3

この体験をしたことって

我が子の可能性を信じられることに大きく影響している。

今できていなくても、周りに比べて劣っていても

きっとできるようになるって心から信じられる。

僕はそんなやつを見てきたよ。

だからね、大丈夫。

きっとできようになる!

自分にも言い聞かせてるよ。

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東恩納巧 #教員生活22年 #子育て
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