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学力の経済学⑩優秀な同級生の負の影響と昔話「ウサギとカメ」

学力の経済学シリーズでは「学力の経済学」の本をもとに僕の経験も交えながらお伝えします。著者は中室牧子氏。教育経済学者。中室氏の本を書いた目的は、「知っておかないともったいないこと」を伝えたいです。知っていると知らないとでは大きな差が出ると僕も読んで思いましたので、紹介します。

この記事を音声化したものです。内容を少々広げながら収録しております ↓

優秀な同級生と付き合うと良い影響を受けそうです。実は逆に負の影響を受けることもあるのです。どうして負の影響を受けてしまうのかの原因をもとに考えていきます。

from:ありのまま@9

優秀な同級生と付き合うとどうなるか?

なんとなく分かりますよね。

前回のブログの内容からも予想しやすいと思います。

前回のブログ ↓

以上の結果をみれば、優秀な同級生と付き合うのが得策なようです。

しかし、必ず学力が上昇するとは限らないのです。

「え〜」ですよね。

実は学力の高い優秀な友人から影響を受けるのは、、、

そのクラスでもともと学力の高かった子どもののみなのです。

チーン。

中間層やもともと学力があまりよくなかった子どもは

何ら影響を受けないのです。

チーン、チーン。

それどころか、自分のクラスに学力の高い優秀な友人がやってきた場合、

もともと学力があまりよくなかった子どもには、

マイナスの影響があるということを示す研究もあるそうです。

カン、カン、カッーン。

僕、ノックアウト負け。

学力の高い同級生の存在が、学力の低い生徒の自信を喪失させ、進学の意欲が低下したということなんです。

この研究結果を知ったとき、僕はある物語を思い出しました。

「ウサギとカメ」です。

詳細は忘れましたが、

ウサギとカメが山の上まで競争することになりました。

スタートと同時にウサギは自慢の脚力でスタートダッシュをかけます。

途中でウサギが休憩している間に寝てしまい、

気がついたら、カメがゴールしていたという話です(多分、こんな感じ)。

大事なのは次のことです。

どうしてウサギは負けたのでしょうか?

先の研究結果とよく似ていると僕は思ったのです。

ウサギが負けた原因は、休憩したから

っていうと当たり前ですね。

もう少し深く掘り下げてみましょう。

途中で「目標を見失ってしまったから」です。

ウサギは最初、「できるだけ早くゴールすること」

目標にしていました。

ところがあまりにもカメが遅いので、

「カメに勝つこと」が目標になったのです。

最後にカメより先にゴールすればいいので、

休憩をしてしまったのです。

これが先の研究結果で意欲を落とした子どもと

僕は重なって感じたのです。

ではどうしたらよかったのでしょうか。

優秀な同級生と一緒のクラスになったり、

職場が一緒だったりすることって

僕らは避けられません。

それは、カメの思考をまねることです。

カメがどうしてウサギに勝てたのでしょうか?

カメは

最初から最後まで「できるだけ早くゴールすること」が目標

だったのです。

「ウサギに勝つこと」を目標にしていたら、

最初からものすごい差をつけられた時点で、

「絶対勝てないじゃん」って諦めたのではないでしょうか。

カメが諦めなかったのは、超忍耐強いのではなく、

努力を継続できるものすごい力があったのではなく、

自分の中に目標があったからだと思います。

誰かに勝つことを目標にするのではなく、

「自分の持っている力を最大限に出すこと」

が目標になっているのです。

このことについては以下の本もおすすめです。

辻秀一さんの本です。

さらに辻氏の講演会で聞いた話もリンクしました。

レスリングの吉田沙保里さんに

超ポジティブ思考の松岡修造さんがインタビューをしました。

世界大会9連覇がかかる決勝戦の残り6秒で

負けている時の吉田さんの考えていたことです。

※この話、やりとりの表現が難しいので、詳しくは音声ブログ(5分30秒あたり)をお聞きください。

吉田さんは、「やばい、負けそう」とかという思考にはならず、

「練習でやってきたことをやり続けることに集中した」

というのです。

これもカメの思考と同じで、

自分の中に目標があるのです。

どの世界にも優秀な人はいます。

その人と比べて、自己嫌悪になることもあります。

自信をなくすこともあります。

意欲が低下することもあります。

僕も今もなお、その状態に陥ることがあります。

目標を見失っているのです。

そんな時、

「自分は最後死んだ時、周りの人にとってどんな人間に思われたいか」

とゴールを明確にして、目標を見失わないことを学んでいます。

今の僕は、その領域に達する途中を歩いています!

ゆっくりとゆっくりと、、、

いずれいろいろなしがらみから抜け出せ、ありのままの自分を受け入れ、生きづらさが愛おしさに変わり、ありのままに愉しく生きていけてると確信しています。

おっと、自分の想いに浸りすぎました。

まとめると、

研究結果で示されたように、優秀な方と共にすることで意欲の低下することがあるということを頭に入れつつ自分の力を最大限に出せるようにマインドセットしていけば良いかなと思ったのです。

まあ、一緒に愉しみながらいきましょう!

ってことです。

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東恩納巧 #教員生活22年 #子育て
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