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【エッセイ】絶妙なブルー

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#創作大賞2023

食べることが好きすぎる

食べることが好きすぎる

私は食べることが大好きだ。

普段摂生しているだけで、目の前にポテチやチョコレート、菓子パンがあれば「もうやめたら?」と声をかけられない限り食べ尽くしてしまう。

(ひとり暮らしなのでそんな声をかけてくれる人はいない。)

これは冗談で言っているわけではなく、割と本気の話で、ファミリーパックのアイスなんか買った日には恐ろしいことにその日の夜にはもうない。

存在自体が嘘だったかのように、ない。

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心を揺さぶる何気ない言葉

心を揺さぶる何気ない言葉

私の友人には素敵な感性の持ち主がいる。

大学のゼミが同じで、学生時代の終盤は彼女と過ごす時間が多かった。

そんな彼女が発する言葉にはささやかな感動があって、今でも日常の時々に思い起こされては「やっぱり秀逸だな」としみじみする。

「あー、歯磨き気持ちよかった」

という言葉もそのひとつだ。

それまで、私にとっての歯磨きは健康やエチケットのためにしなければいけない「面倒くさい」ものだった。

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ドラッグストアのレジは難易度が高い。

ドラッグストアのレジは難易度が高い。

最近、近所のドラッグストアに新人さんが入った。

新人さんといってもだいぶご年齢高めの男性である。サーフィンでもしとるんか?と尋ねたくなるほど肌が小麦色。

「お会計321円です〜」

「paypayで」

とやりとりをした後、レシートを渡しながら

「321円のお返しで〜す」

と言う。

「いやそれ返してもうたらタダやんけ〜」

と言いそうになったが、ギリギリ堪えた。

このやり取り、お笑い芸

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もうその質問やめません?って話。

もうその質問やめません?って話。

私には苦手な質問がいくつかある。

そのうちのひとつが

「こども好き?」

である。

このフレーズはかなり擦られたものだ。その歴史は古代にまで遡る(というのは嘘である)。

とにかく、読者も一度は聞いたり言ったりしたことのあるフレーズではないだろうか。

だが、私としてはもうこの質問やめませんかって言いたい。

今回はどうしてこの質問に辟易しているのか、なんとなく心のうちをさらけだしてみる。

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本屋にいたすかし損ねた人の話。

本屋にいたすかし損ねた人の話。

今日、帰り道に本屋に寄った。

私は本のタイトルと装丁を眺めるのが好きなので本屋によく行く。それに割と静かな空間なので気持ちも落ち着く。

私の立っていた場所は向かい合わせの本棚に挟まれた狭い通路で、そこには私以外に立ち読みのお客さんが3人いた。

私の目的は立ち読みではないので、本棚にびっしり並んだタイトルを眺める。これだけでも充分活字と向き合えるので楽しい。もうほぼ読書だ。

本棚を隅々まで眺

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キテレツ短歌〜あの夏の日編〜

キテレツ短歌〜あの夏の日編〜

「女子ってさ、ワキゲあんの?」と言ったやつ

大人になる前 十三の夏

ってな感じで、記憶を短歌として詠むことにハマっていた時期がある。

短歌というのは、5・7・5・7・7の計31音に音を当てはめれば良くて、俳句のように季語を気にしなくてOKという寛容な文芸だ。

作品の解釈は読み手に委ねられるのが基本なのだが、先ほど詠んだ作品について今日は解説させてください。

それは中1の夏。

エアコンの

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過剰な奥歯と無い前歯。

過剰な奥歯と無い前歯。

保育園に通っていた頃、「歯のコンクール」に選抜出場し、賞をもらったことがある。

「歯のコンクール」というものの存在自体あまり知られていないと思うが、私の記憶では大勢の子供が一堂に会し、順番に歯の検査をしていくというなんともシュールなものだった。歯の評価というのは、私の頑張りというより綺麗な歯並びを授けてくれた親のDNAや歯の磨き方を丁寧に教えてくれた保育士に対する評価に思える。

何が言いたいか

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初めまして、あっきょんです。

初めまして、あっきょんです。

記念すべき初投稿。と言っても、このアカウントを開設したのはもう2ヶ月以上も前のこと。

「よし、なにか書いてみよう」

とは思うものの、

「なにかってなんだよ。こういうのって設定が大事なんじゃないの?!」

と、ど素人ムーブをかましていた。

うん、そう、2ヶ月も。

そもそも「初めて」の始め方が分からない。

「特別な挨拶とか自己紹介っている?」と余計なことを考えてしまう。

それと同時に「実

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