すべてのサカママ必読「アスリートのための食トレ」を今すぐ実践した方が良いワケ
この本に出会ったのは地元の図書館。その後、バイブルにしようと購入した1冊。偉そうなスタンスで書かれていないのが魅力的。ジュニアアスリートを持つ親に向けた初歩的な食トレのポイントが詰まっているので紹介したい。
「アスリートのための食トレ -栄養の基本と食事計画-」2012年 著:海老久美子
スポーツする身体のエネルギー源「糖質」とは
言わずもがな人間は皆エネルギー源がなければ生きてはいけない。
一般の人に比べて運動量が多いアスリートはより多くのエネルギー源を摂る必要にある。
特にジュニア期のアスリートは身体自体の成長のためにもエネルギー源が使われるので、成長と運動の両方を満たすエネルギー源を確保しなくてはならないことをまず覚えておきたい。
▼エネルギー源となる栄養素は3つ
タンパク質
脂質
糖質(炭水化物)
このうち、最も即効性があり効率の良いエネルギー源となるのが糖質だ。
炭水化物は糖質と食物繊維の両方を指すが、食物繊維はエネルギー源にならない。優秀なエネルギー源である「糖質」をもっともしっかり摂るのに適した食べ物は、まさにお米をはじめとする穀類となる。
でも炭水化物をやみくもに摂取すれば良いわけではない
だからと言って主食である白米やパンなどをガムシャラに食べれば良いというわけではない。成長と運動を両方を支える食事には「アミノ酸」のバランスも重要になる。
人間が体内で合成ができず、食べ物から摂る必要がある必須アミノ酸は全部で9種類。それらは全てバランス良く摂取できないと身体の材料としてうまく利用できないと言うから要注意というわけだ。
アミノ酸はチームワークで働くことを認識した上で、メニュー構成が必要になる。
▼必須アミノ酸がバランス良く含まれる食べ物
卵、牛乳、納得、枝豆、魚【あじ、かつお、さんま、ぶり】、肉【豚ロース、鶏、馬】
▼理想の朝ごはん
納豆ご飯、焼き魚、豆腐の味噌汁
1回の食事にいろいろなメニューがあった方が良いというのは頭ではわかっていても難しい。
でも栄養素のバリエーションというだけでなく、タンパク質を効果的に摂るという意味でも1日3食に分けてバランス良く取り込む必要があるということを改めて認識しておきたい。
そして、タンパク質を身体の材料にして成長するためにはきちんと眠ること。これが最も大切になる。
成長期の子供は眠っている間に成長ホルモンが活発に分泌され体は修復され成長していく。
元気に食べて静かによく眠ること。このメリハリがアスリートにとって最も大切なことだということを子供自身が自覚する必要がある。
試合や練習終了後30分以内に糖質+タンパク質を
ひとつの大きな試合や大会が終わった後に一番に考えるべきは「疲労回復」。
ホッと気を抜きたい気持ちが大きいが、その前に「儀式」を済ませる必要がある。
試合終了後のできれば30分以内に糖質源とタンパク質源を補給するのが最優先事項だ。
試合で酷使し傷ついた身体にエネルギー補給をし、さらに修復するために必須。
実感として疲労がなくとも、筋肉や組織には確実に負担がかかっている。
さらに内臓も疲れているので、消化に良いものであることも前提となることを忘れてはいけない。
場所や時間の問題でゆっくり補給できないことも多いだろう。
▼30分以内に摂取すべき食品
柑橘系のフルーツが入ったヨーグルト
果物とヨーグルト
チーズパン+100%果汁
どうしても30分以内に補給ができない場合は、帰路のどこかのタイミングでなんとか時間を作りたい。そこでコンビニの活用はOK。おにぎりやパンなどの炭水化物と果物、フルーツジュース、乳製品を組み合わせて補給することを本人が理解しておくことが大切になる。
▼おすすめの捕食2選
チーズは今は購入できる店舗がないので、必要な方は私たちのレストランにて購入いただけるのでお問い合わせいただきたい。
①ビラギーニスナック
パルミジャーノレッジャーノチーズが個包装されていて非常に便利。
②伊東農園 みかんジュレシリーズ
添加物不使用のゼリータイプの柑橘飲料。夏場に欠かせなかったアイテム。
個人的な視点では商品裏面の成分表示をよく見る習慣を子供にも付けさせ、添加物が極力少ないものをコンビニなどに立ち寄らざるを得ない場合、選ぶ視点を本人が持っておくことをお勧めする。
小分けにしておいた手作りのおにぎりは我が家でも最も活用しているが、帰路が遅くなってしまう場合、おにぎりを作ってからかなり時間が経ってしまっているようなら暑い時期は特に傷みが心配になる。その場合はコンビニなどを利用するのが安心なので、うまくコンビニと付き合っていきたいものだ。
アスリートにお菓子ではない「間食」は必須
アスリートにとっての間食は「お菓子」ではない。
1日3食では摂りきれなかったり、厳しい練習に備えたり、また練習後に体力や酷使した筋肉の速やかな回復のために状況に応じて補う捕食を指す。
あくまでコンディショニングやパフォーマンスを発揮するための捕食であるという意味を親子で自覚する必要がある。
アスリートの間食を選ぶ際のポイントは、低脂肪であること。その時に必要な栄養素を含んでいること。そして手軽に食べられること。場合によっては加えて携帯しやすいこと、という要素も入ってくる。
このポイントを念頭に置いた場合、練習後にお腹がすいたからといって、コンビニやファストフードに立ち寄り、ハンバーガーやフライドポテト、フライドチキンなどを摂取するのは最もNGな行動。低脂肪からかけ離れたチョイスとなる。
我が家では先ほどの紹介したチーズを間食にしたり、果物や煎餅を出すことが多い。果物は食後よりも間食としてそれ単体で食べた方が効率的なエネルギー源となる。
飲み物もコーラやソーダ類も避けて、100%果汁のジュースやヨーグルトドリンクを自然に選べるようになりたいところ。
スポーツドリンクについては賛否両論あり、この本ではあまりにハードな練習や試合の後はOKとある。
ちなみに、なぜコーラやソーダがNGか。それはとにかく糖分が問題になる。
砂糖の摂りすぎの一番大きな問題は血糖値を急激に上げるため、食事が食べにくくなってしまうこと。必要な栄養素が摂れないママ、糖分だけを摂ってしまうことになる。
また最近のスポーツドリンクやジュース類の甘味は砂糖ではなく、アスパルテームやフェニルアラニンなどの甘味料が使われることが多く、カロリーはないからとこちらが入っているものを選ぶのは大きな間違いで、人工甘味料に慣れてしまうことはリスクでしかないことを親が理解しておきたい。
ジュニアアスリートを持つ親にできること、それは「食」と「生活」を整えることのみ
息子たち二人がサッカーをやっていると色々な親に出会う。
そしてつい、その子供がどんな捕食を持ってきているのか目がいってしまう。
我が家が正解とは言い切らないが、親がサッカー云々のことよりも子供の食についてもっと勉強して視野を広げてあげることが、何より大事なのではないかと思わざるを得ない場面が多い。
そのサイズの子供に、そのサイズのパウチのスポーツドリンク飲料は果たして適正か?
大人ならまだその成分を分解できる体の機能ができあがっているが、子供にその捕食は果たして適切か?
私自身も日々勉強と痛感し、情報収集している。
正しい解を見つけたら、啓蒙活動と思って周囲の気を許せる親には話していく。
そんな地道な一歩がジュニアアスリートを本当の意味で応援していくことになるのではないかと信じている。