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【北イタリアひとり旅:第1章】Ep.7/14-a『不安と高揚』

 9時ちょうど。灰色に霞がかった東京湾を背に、目的地への飛行は、定刻どおり始まりました。成田国際空港から韓国の仁川国際空港で乗り継ぎ、空を泳ぐことおよそ16時間。ひとつ目の目的地は、イタリアのローマです。

 まだ上昇を続ける飛行機は左右に少し揺れていますが、いま考えていることを少し頭の中で整理して、ベルト着用サインが消えたら、さっそく日記帳に記したいと思います。

 地上から足が離れた瞬間というのは、いつだって、およそ現実の世界から切り離されたような気がして、「ああ、わたしはこれから、知らないところへ行くんだ。旅をするんだ。」というように、不安と高揚が、同時にわたしの心を脳を満たします。それはたとえば、窓に映るわたしの表情が物語っていて、笑っているような、でもどこか切なさが垣間見えるような、そんな感じ。というか、相変わらず不細工だけれど。こういう時、わたしの頭の中は、書きたいことがいっぱい。だからこうして、カタカタと揺れる飛行機の中であっても、結果として読みにくい字になろうとも、確かな筆圧を以って、文章を書くわけです。

 そういえば今回、アシアナ航空を初めて利用します。機内食はなにが出るかなあ。韓国までの空路では、もしかしたら軽食のみの提供かもしれませんが、旅における食事って、ほんっとうにわくわくします。もしやもしや、韓国料理、出ちゃうかな?

in Murano, Italy Juli.2024

北イタリアひとり旅日記より

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