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note更新へのゆるい決意と一万円選書


物書き、兼、文章講師の有村千裕です。
年の瀬ですね。やり残したこと、ありませんか?私は、2022年に未練がたくさんあるようで、今年を生き切った感じでもあります。

先ほど、その中でもずっと、やらなければ、ともやもやしていた大切な仕事を終えました。一万円選書のカルテ送信です。

北海道砂川市にある「岩田書店」さんの有名な一万円選書をご存じでしょうか。人生観や読書歴を送ると、それを熟読した店主の岩田徹さんが、約1万円分の本を選んで送ってくださるサービスです。私は幸運なことに昨年その購入権に当選し、たくさんの本を送っていただきました。

なかでも「さざなみのよる」(木皿泉)では、1章目にはその命の描写に心を奪われて涙し、「銀河鉄道の父」(門井慶喜)では、文章を書くものとして、宮沢賢治の父の言葉に胸をえぐられました。腰痛で入院していた時、病院の白い天井を見るばかりの生活に彩りを添えてくれたり、人間を信じられなくなったときに、自分が何者かを思い出させてくれたり、本はつくづく偉大です。


そして、その一万円選書、またまた、幸運なことに今年9月にも当選しました。しかし、この2022年も年末になるまで、本を選んでいただくのに必要な、私の読書歴や人生観などの情報を記入した「選書カルテ」を返送できていなかったのです。明日やろうは馬鹿野郎です。
読書歴(人生で読んだ本TOP20)が、昨年からほとんど更新されていないことが恥ずかしいやら情けないやらで、なかなか進まず、気が付くと年末。
一度送付が遅れることをメールでお詫びしたとき、岩田さんから返信で「締め切りはありません」という優しい言葉を頂いたことに甘えたようになってしまいました。

このカルテには、「自分の人生で嬉しかったこと、悲しかったこと」「これだけはしないと決めていること」「あなたにとって幸福とは」という、自分をまとめなおすような項目があります。
これが、今回書いてみて、自分の成長や変わらない部分が見えて、ありがたい機会にもなりました。

例えば、「10年後の自分は?」という質問には、
2021年の私は「自分の幸せのため、自分が社会のためにできることなど、やりたいことを周りの目を気にせずにできる人になりたい」と書いていたのに対して、
今年の私は「10年後も他人に尊敬の念を忘れない、あたたかい人のつながりを忘れない人であれたら。もっと肩の力を抜けているといい」と。
どちらが良い、ということでなく、去年の自分より、今年の自分のほうが「ねばならない」の考えが減ったのかもな、と思っています。

やはり、その時思ったことを書き残すことは、とても大切なこと。
誰に読まれるから、でなく、こうしてどこかに文章を残していくことが、のちの自分の力になるのではと思っています。

2023年は、読書感想文、毎日の徒然、猫の闘病のようす、民事裁判に巻き込まれた時の話、なんで2冊目の本が書けないかの話…など、なんでも、形を問わずに、頻度も縛らずに、気楽に書き残していけたら、と思っています。

2014年に有村文章塾を始めてから、人の文章に赤を入れるばかりで筆を動かさなかった私の、「少しペンのリハビリをしよう」という、ひそかな決意文でした。

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