interview 大塚由美さん “作っている人が笑顔だと、それはモノに伝わる”
エシカルな活動をされている方をインタビューさせていただく、新しいわたしの夢への道。
エシカルジャーナリストの活動。
3人目のインタビューは、
モノの裏側のストーリーだけではなく、その裏側にある人々の笑顔が伝わるアイテムを、世界中から集める。
そして、そこに集う人たちが笑顔になれる空間を作っている。
フェアトレードショップ Pamojahの大塚さん。
Pamojahを始めるに至った理由から、今後の展望までを伺ってきた。
プロフィール
大塚 由美さん
「FM OH!」や「毎日放送」にて、ラジオDJやパーソナリティとして出演中。
20代後半に一年半かけてアジア~中東をバックパックで旅する。
“旅先で親切にしてくれた人たちに恩返したい、
離れていても彼らと長くつながる方法はないか”
と考えてたどり着いたのがフェアトレード。
2017年にフェアトレードのセレクトショップPamojahをオープン。
フェアトレードショップ Pamojah
フェアトレードをもっとあなたの生活に、ファッションに取り入れて欲しいという思いで生まれた。
インタビュー
ー学生時代にアジア~アフリカ~中東をバックパックで旅されたのは何がきっかけだったのですか?
27歳の時、仕事のことで行き詰まってしまって、
自分の好きなことや、やりたかったことは何かを考えました。
元々、自然が好きで動物愛護にも興味がありました。
そして、ずっとアフリカに行きたかったなって思い出して、仕事を辞めて、100万円だけを持って1年4ヶ月で世界中を回りました。
ーバックパックの時に出会った人たちと離れていてもつながっていたいという思いで、Pamojahを始められたと思いますが、店舗という形態をとられたのはなぜですか?
自分自身が買い物が好きだったというのが大きな理由です。
アフリカを感じられるもの、作り手を感じられるものが好き。
自分がわくわくするものや、欲しいものを集めた結果がこのPamojahですね。
ーフェアトレードのものと言えば食品や雑貨がまだまだ多い中で、ファッションにフォーカスを当てられているのはなぜですか?
一番は自分自身がファッションが好きだからですね。
ファッションのように身につけるものは
そのモノのストーリーを身近に感じることができる、作り手を感じられる最たるモノだと思っています。
フェアトレードのモノやストーリーのあるものを一つ身につけているだけで、誇らしくなるなって思うんです。
でも、課題もまだまだあります。
支援したいところは僻地が多くて、輸送コストがどうしてもかかってしまう。
支援したいところに支援が届かないことがもどかしくて、、申し訳ない気持ちにもなります。
その中でも、自分にできることを少しでもしていきたいと思っています。
ーPamojahで取り扱うフェアトレードのアイテムはどのように選んでいるのですか?
基準は自分が欲しいもの、トキメクもの。
後は目新しさや話題性があるもの。
大切にしていることは、フェアトレードだからという基準で選ばないことですね。
「フェアトレードだから」で選んでもらえる人に届けるのではなくて、「素敵!」と思って手に取ってもらえて、後にフェアトレードだと知る。
というのが理想です!
そして、価値があってプロのクオリティーがあるもの。
この基準は一番大切にしていますね。
最近は、店に置いてくださいと言われることも増えました。
でも、多くは人から人でつながって、直接話をさせてもらって取り扱わせてもらうことが多いですね。
ー大塚さんにとって、Pamojahとはどんな場所ですか?
ストーリーがあって、たくさんの人の思いが集まっている場所です。
私自身、人と人をつなげることが好きなんです。
モノは多くの人たちの手によって、苦労の末私たちの手元に届いています。
もちろん、現地の生産者たちを応援したい。
そして、その人たちを支援しているトレーダーたちも応援したい。
生産者と直につながっているトレーダーたちの思いも伝えたい。
そのモノに関わっている人たちの思いを、Pamojahで伝えたいと思っています。
ー今後、やりたいと思っていることはありますか?
Pamojahをオープンしてから4月で5年になります。
これからは、日常に取り入れやすいモノをもっと取り扱いたいなと思っています。
一つ目標にしているのはバルクショップ(量り売りショップ)です。
Pamojahがある堀江は、ファミリー層も多い町でもあるので、日常使いしやすいものを扱いたい。
今のPamojahは2店舗目です。
「One with a nature 私たちは自然の一部であること」を2店舗目のテーマにしています。
自然に囲まれているこのPamojahの空間を、居心地が良いと思ってもらえる空間作りをしていきたいです。
ー最後に大切にしている考えや言葉を教えていただけますか?
自分の直感を研ぎ澄ますことです。
自分が信じるもの、大切にしているものに対して、一生懸命に向き合っていると結果はついてくると思って信じています。
自分の直感に対して素直でいることが自分の状態を豊かにする。
そして、直感がいい出会いを呼んでくれていると思っています。
なので、常に直感は研ぎ澄ましておきたいですね。
世界中のフェアトレードのアイテムが集まるPamojahの店内。
その一つ一つのアイテムについて、明るい笑顔でモノのストーリーを話してくれる大塚さん。
フェアトレードは、モノのストーリーをしっかり語れるアイテム。
大塚さんから話を聞いていると、そのアイテムのストーリーが自分ごととして、そしてこのモノを手にしている誇らしい自分の姿を想像できる。
それは、全てのアイテムに関わる全ての人たちに対し、敬意と愛を持っている大塚さんからの言葉だからだと思った。
今回のインタビューで、特にわたしの心に響いたのは、
「今後どのようにして、フェアトレードと関わっていきたいか」
を伺ったとき時の言葉だ。
大塚さん:
まずは、フェアトレードを生業として生活できることを証明したい。
フェアトレードの仕事をしていると伝えると
「いいことをしている人、すごいね(他人感)」で終わってしまう。
だからこそ、ビジネスとしてフェアトレードを成功させないと意味が無い。
フェアトレード=寄付と同じと思われることがあります。
フェアトレードと寄付が、対極にあるわけではないのですが、フェアトレードは買い物を通して途上国の生産者の自立向上に貢献することができる。
寄付だと少しハードルが高いと思っている人に対して、フェアトレードは買い物で生産者の自立を支えることができるから、チャンスだと思うんです。
だからこそ、フェアトレードをビジネスとして成功させたい!
フェアトレード業界を大きくすることが大切だと思うんです。
この言葉は、わたしもフェアトレード業界の中で働く一人として、心に突き刺さるものがあった。
今までは、フェアトレードを広めることに注力していた。
けれど、これからは、フェアトレードを当たり前の世の中にしていくために、フェアトレードを生業にできると証明していく必要がある。
多くの人たちにフェアトレードを生活に取り入れてもらうために、わたしができることのヒントが見えた気がしました。
「作っている人が苦しんでいたら、いい波動は生まれない。」
「作っている人が笑顔だとそれはモノに伝わる。」
そう語る大塚さん。
そんな大塚さんが作り出すPamojahという空間。
Pamojahに集まっているモノは単なるモノではない。
Pamojahという言葉の通り、そのモノを作った人たちと「共に」寄り添っていられる、そんなアイテムが集まる場所。
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