シェア
Arim(ありむ)
2021年8月11日 01:06
コンクリートの上に不時着する蝉夏の到来を教えてくれた透明な羽は擦り会わせる役目を終えて風の音を聴きながら自分の体をレースを纏うように覆っていた大きな黒い瞳は何年も生きてきた土の中を思い出している日の光をブランコのように揺らす緑の葉影で自分の羽も 光の振動となっていのちの夢を鳴らしていた光の波は、蝉の黄金色の思い出を見守りに来ていた雨をよけて 雲の門を開き手のなか