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Arim(ありむ)
2019年10月19日 00:31
風が揺らしていく。大きな不安を取り除くように、葉っぱの上のゴミがほろっと落ちる。緑色ってどのくらい種類があるのかな、どこまで人間の目は識別できるのかな、と光の底を覗いて見たくなる。風が運んでいく時間に空色の舟に乗る。 #Arimの詩 #イマジズムの詩 #詩 #現代詩
2019年10月18日 23:30
向こう側に置いてくる。うつせみはどちらだろうか。ここは、鏡の国と瓜二つ。敷居は高いよ。行きは低くて帰りは高い。だから、気をつけて。優しい言葉に気をつけて。甘い言葉に用心しながら、時には飛び越える。私が増える、あなたが増える。私の、あなたの、根が伸びる。繋がっていく根。根、根。黄泉の国、蠢く地下の国、羽ばたく地上の国。あなたの時間と私の時間。ここ。という
2019年10月13日 23:41
鳥が飛ぶのは何故だろうね。花が咲くのは誰が決めたの。空が青くて大きくて。理由はわからなくても、みんながそんな景色を知っていることは、案外多くて。悲しいと胸が痛い。辛いと涙がこぼれそうになる。笑顔が光のように思えるのは、そこがいつも希望の灯が着火する場所だから。経験していて、みんなが知っている心の言葉は、案外多い。本当は隣の人の気持ちもよくわかる。耳を澄まして、心を静めて
2019年10月3日 17:59
ひところ、白んでいく明けの空ばかりを追いかけていた。ひところ、最初に地面に落ちてくる雨音ばかりを聞きとろうとしていた。ひところ、水道から迸る水の筋ばかりを数えようとしていた。鳥の羽を集めて歩くのは、まじないでもなんでもなくて、空を渡ってきた風の手紙を、開きたかったからだ。ここに生きることが、打ちのめされそうな困難の後ろにも、奇跡のような光が隠れていると信じていたかったからだ。 #詩
歩きながら、考えるしかない日々の中で、人類の歩行とは、きっとそういうものなのだと思ったりする。答えなどどこにも用意されていない。辿り着くのは、歩き疲れて立ち止まる場所。諦めながら、幻想を抱きながら、裏切られたり、信じたり、うつむいたり、空を見上げたり。時々誰かの笑顔にぶつかって、花を手渡されたような光を見つけて。誰もが歩いていく。虫も猫も。立ち止まれない命の回転が、それは宇宙と同じ摂理のように