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2018年12月の記事一覧
Poem)童べうたの神さま
海にも空にも川にも山にも
風にも神さまがいらしてなあ、
フーフーって息をしていらっしゃる
その吐息が
青い青い深海の魚になったり
白い白い雲になったり
川ベリに遊ぶサワガニになったり
鳥は楽しそうに神さまの言葉を運んでいる
葉っぱは神さまの音楽に、体を揺らして踊っている
小石や土や雨が、ありがとうって言いたくて、地上にたくさんの花を咲かせる
猫は幸せなどんな音も聞き漏らさないように、耳を傾けて目
Poem)そして、空
ことによったら、
葉っぱは
木の梢から離れたら
空に舞い降りるのだと
思っていたかもしれない
風に揺れていた葉は
重力があることを
知らなかっただろうから
どうして地面に落ちたのかと
不思議に思ったに違いない
空は、どこからが空だろう
蟻は私を見上げては
私の頭の位置は
空に近くて、
きっと、空に届いているのだと
思っている
私から見たら、
飛行機は、空を飛んでいる
鳥も、空を飛んでいる
で
Poem)葉っぱの傘さして…
雨の雫を数えているカエルがいる
4、5、10(よんごーじゅー)と、
いつか人間の子供に教わったように
数えている
4、5、10、4、5、10
雪解けして、黒い土の中から出てきたカエル
ずいぶんお日さまが眩しくなったり
いい匂いの花びらがベッドを
包んでくれたり
4、5、10、4、5、10と
数えているけれど
秋、という言葉を
どこからか空を飛ぶ鳥が
落として行った
嘴に挟んだ黒い実を
加えなおし