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カルロ・スカルパ 宇宙を夢みた庭
こんにちは!アーキロイドの福井です。
先日、美術書を扱う古本屋さんで見つけた「カルロ・スカルパ 宇宙を夢みた庭」という本。31年前のワタリウム美術館で開催された建築家 カルロ・スカルパの展覧会にあわせて出版されたものだ。
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夏にスカルパのテーブルに対面してから、どんどん気になる存在になるばかり。
この本の『スカルパのデザインと職人たち』という章に、テーブルができるまでのエピソードがあった。
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「スカルパを刺するアジテーターが、僕の仕事だったのです」と語るディーノ・ガヴィーナ。ボローニャ市にスカルパの設計によるショールームを構えるガヴィーナ
氏との共同作業を通じて、スカルパは、一九六八年以来家具のデザイン作品を手掛けるようになった。それは60年代当時、デュシャン、マン・レイ、ジャコメッティ、フォンタナらが出入りした、ガヴィーナ氏を囲むサロン的環境から生まれたものである。
『ドージェ」というテーブルの場合、スチールの脚のうえに不透明な上板を当初考えていたスカルパに対し、ガヴィーナが、ガラスを載せることを提案したものである。それにより、上板を支えるテーブルの脚のつなぎ目・ネジの付いたスチールの棒など細部が見えるようになり、作品の建築的な力強さが視覚的に味わえるようになった。この一連の共同作業は、「ウルトラ・ラツィオナーレ(合理主義の超越)」と名付けられ、現代における「テクノロジーの力とポエジーとの婚礼』が追求された。
個人的には、ジャコメッティとスカルパが一緒に過ごす時間があったことが興奮ポイントで、対象と対峙し続けた二人はどんな話をしながらワインを飲んだのか、とっても気になる…!福井
『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
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