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秩父のレトロカフェ旧小池煙草店 小池カフェ×きな粉ミルフィーユを堪能【埼玉県秩父】
私達の身の回りに当たり前にあって、日々の生活を豊かにしてくれるもの、それは建築と甘いもの。
このnoteでは、建築好きの私 やま菜がおすすめしたい建築と甘いものを紹介していきます。
今回訪れたのは埼玉県の西側に広がる秩父の市街地エリア。
レトロな街並みが残る秩父の中心地に、とっておきの建築と甘いものスポットがある。
1.秩父のランドマークでもあるレトロ建築で頂くとっておきのスイーツ
秩父山地に囲まれ、豊かな自然の恵みを受ける秩父市は、古くから様々な産業が発展する埼玉西側エリアの要所であった。
特に明治時代に入ってからは、元々盛んであった養蚕がさらに発展して秩父銘仙として全国に知れ渡り、大正時代に開通した上武鉄道(秩父鉄道)やセメント事業は日本の近代化と経済成長に大きく貢献している。
そんな近代化の過程で建てられた古き良き建物のひとつが、今回訪れた旧小池煙草店だ。
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この旧小池煙草店は秩父の近代建築の中でも特によく知られた建物だったが、2022年にお隣に併設して建つ宮谷家と合わせてホテル兼カフェとしてリニューアルがされたと聞いたら、訪れずにはいられない。
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旧小池煙草店は、西武秩父駅から秩父神社に向かう参道の中腹に建ち、現在はNIPPONIA秩父 門前町というホテル兼カフェとなっている。
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交差点に合わせて丸みを帯びた外壁と、精巧な装飾、繊細でモダンな窓装飾など、昭和初期の建物に代表される要素が詰まった建築だ。
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角部に設けられた窓には、煙草店だった面影が垣間見えるのもよい。
この角部を含んだ1階の一部は小池カフェという喫茶店となっていて、今まで外から見るだけだった小池煙草店の内部空間を宿泊者以外も堪能できる。
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少し頼りないすり硝子越しに、秩父の街並みとそこを行き交う人々を眺めるのは、何とも不思議な感覚だった。
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そんな小池カフェで頂いたのは、埼玉県産の「借金なし大豆」を使ったきな粉が枡いっぱいに盛り付けられた酒桝きな粉ティラミスだ。
ほんのりと香るきな粉の香りが漂いう和風のスイーツは、小池カフェの看板メニューでもある。
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プルプルと震えるティラミスは、上品でありながらどこか懐かしい絶品の味わいだった。
セットで頼んだ紅茶との相性もピッタリで、癒しのティータイムを堪能した。
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小池カフェでは他にも、ほうじ茶ときな粉がマッチしたきな粉ラテや、ケーキをはじめとしたスイーツ類もあるので、秩父観光や建築巡りをした後の休憩スポットとして立ち寄るのもオススメだ。
2.明治から令和の歴史が凝縮した建物を堪能
甘いものを堪能した後は、改めてこの建物をみてみる。
派手な建物ではないけれど、よくみるとユニークな見どころが満載だ。
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例えば開口部は斜めのデザインが用いられているのに対して、お隣の壁面は水平垂直に走るランダムな形の目地となっていたりと、自由で楽しげなデザインが随所に散りばめられているのが面白い。
小池カフェの北側は、元々は着物店であったが、NIPPONIA秩父 門前町へのリニューアル時に旧小池煙草店と一体的なデザインに改修されている。
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NIPPONIA秩父 門前町が面白いのは、ひとつのホテルを市内の複数の近代建築をリノベーションしてつくりだす分散型宿泊施設となっていることだ。
旧小池煙草店はKOIKE・MIYATANI棟として客室のみが備えられていて、ホテルのレセプションや食事スペースは秩父神社の西側の通りに面したMARUJU棟にまとめられている。
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MARUJU棟は、明治元年に米問屋として建てられ、昭和初期にかけて改修・増築がされた旧マル十薬局を改修した建物だ。
道路の旧商店部分はホテルのレセプション兼フレンチレストランにもなっていて、建物奥と2階は客室になっている。
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さらに裏手に建つ2棟の蔵は、それぞれ1棟貸切の客室となっているのも注目ポイントだ。
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今回貸切の蔵のうちのひとつに宿泊したが、高い天井高に力強い柱や梁が掛かる客室にはテンションがあがらずにはいられない。
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陰影豊かで風合いを感じる客室は、非日常的ではあるのだけれど、不思議と落ち着く空間となっている。
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客室は蔵部分が丸々寝室になっていて、エントランスや水回りは、蔵に併設するように増築されているのも面白い。
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古い蔵部分に対して増築部分は真新しい木の香りが空間全体に漂し、足を伸ばしても十分に余りある浴槽で、旅の疲れを癒すことができた。
今回泊まったのはMARUJU棟だったが、旧小池煙草店を利用したKOIKE・MIYATANI棟もあるので、次に訪れた際にはKOIKE・MIYATANI棟も体験したいと思う。
【小池カフェ(NIPPONIA秩父 門前町 KOIKE・MIYATANI棟)店舗情報】
住所:埼玉県秩父市番場町17-10
行き方:御花畑駅から歩いて約3分、西武秩父駅から歩いて約8分
竣工:昭和9年
その他:登録有形文化財
3.あわせて訪れたいおススメのグルメ建築
せっかくなので、小池カフェとあわせて訪れたい秩父のグルメ近代建築についても少し紹介したい。(秩父には素敵な近代建築が多いが、ここでは食事もできるおススメ建築ととして2建築を紹介する)
まずはじめに紹介するパリー食堂は、小池カフェから目と鼻の先に建つ食堂だ。
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旧小池煙草店よりも7年早い昭和2年に建てられた建物は、木造建築の正面にモルタル等でつくられた洋風の壁面を立ち上げた「看板建築」の特徴がよく表れているのが注目ポイント。
職人によって描かれた窓装飾は、シンプルだけれど味わい深いデザインとなっている。
中に入ると食堂という表現がピッタリの昭和の雰囲気溢れる空間が広がっていて、カツカレーやオムライス、ラーメンといった定番メニューを味わうことができる。
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【パリー食堂 店舗情報】
住所:埼玉県秩父市番場町19-8
行き方:御花畑駅から歩いて約3分、西武秩父駅から歩いて約8分
竣工:昭和2年
その他:国登録有形文化財
続いて紹介するパーラーコイズミは、小池カフェから秩父神社の参道を少し進んだとこらにある喫茶店だ。
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1967年に創業したレトロな喫茶店は、秩父初のパーラーとしても知られている。
昭和初期に建てられた建物の一部を移築したという建物は、古き良き喫茶店といった装いで、内部にはワクワクする空間が広がっている。
そんな店内では香ばしくて食欲をそそる焼いたスパゲッティや、甘さ控えめの自家製プリンをはじめ、絶品の喫茶店メニューを味わえるおすすめのスポットとなっている。
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【パーラーコイズミ 店舗情報】
住所:埼玉県秩父市番場町17-13
行き方:御花畑駅から歩いて約4分、西武秩父駅から歩いて約9分
竣工:昭和初期(昭和中期移築)
今回は、埼玉県秩父市の建築と甘いものを紹介しました。
どの建築も、素晴らしい体験と味を楽しめる名建築なので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。