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広報・PRを外注するときのポイント<企業がビジネス相性を見極める質問集つき> VOL.1

フリーランス広報PRはレッドオーシャンとも言える状況で、さらにさまざまな広報PR職の案件があるのに、企業側が満足しているという話をあまり聞きません。

ミスマッチの原因を考えると、

  • 発注側にPRの知識がない、もしくはなんとなくわかっている程度の知識

  • 受注側ができないことをできると言ってる

  • 発注側と受注側の意識の差がある

などなど。他にもあると思いますが、ミスマッチを減らすべくケースごとに発注側企業がフリーランス広報PRへ確認するポイントをまとめてみました。

VOl.1では、<メディアに露出させて社名やサービスを売り込みたい>、VOL.2では<製品やサービスのローンチ、契約締結の発表が予定されている>、VOL.3では<プレスリリースを書いてほしい>、VOL.4では<業務委託で広報・PRを継続的にお願いしたい>の計4つのケースについて言及していきます。皆さまのご参考になれば幸いです。


1.メディアに露出させて社名やサービスを売り込みたい

何か宣伝をしたい時、メディア側からすれば「広告」という手段を使って欲しいというのが本音であり、ニュースに自分たちの宣伝を仕込みたいというの宣伝でない形にネタを整える必要があります。また、自分たちがニュースバリューになり得ると考えていることも、メディアの立場から考えるとニュースとしての価値がないケースもあります

1-1.とにかく、メディアにあたって欲しい

とにかくフットワーク軽く、メディアに煙たがられることもいとわずに、ひたすら電話やメールをしてくれる人を選びましょう。

このようなケースのミスマッチが起こりやすいのは、発注側がすでにメディアリレーションを確立している人に依頼したいと考える傾向があり、メディアリレーションを確立している受注側からすると、やみくもにクオリティの低いニュースをメディアに持っていくことは、自分がメディアからの信頼を失うリスクを考えて躊躇するパターンです。

発注側は、面談時に次のような質問をしてみるのが良いと思います。

  • ここ3か月の間で、一つの案件で最大何件のメディアにピッチしましたか?またそれにはどれくらいの時間を使いましたか?

  • 最近メディアの人と話をして、心に残った内容一つと、その人の媒体名と役職を教えてください。ネガティブな内容でもポジティブな内容でも構いません。

ただひたすらメディアに社名を売り込んだ結果、メディア側が厄介と思うと、それはネガティブプロモーションとなることもあります。社名を聞くとしつこい会社だと思われ、それ以降も話を聞いてもらえなくなるリスクもあり得るのです。このやり方は私は推奨していません。

1-2.どのような内容ならメディアに出やすいのか相談し、それをメディアに売り込んでほしい

相談する=アドバイスを求めるという点で、まず1-1.の人より一般的にコストは高くつくことを理解しましょう。そしてその人が稼働するということは、コストが積み重ねられることになります。慎重に見極めたいですね。このような場合、面談時に上記の質問に加えて次のような質問をしてみるのが良いと思います。

  • すでに公表されている内容で、ご自身がクライアント企業をメディアに売り込み、掲載が取れた例はありますか?また、どの媒体でどのような取り上げられ方をしましたか?

守秘義務があるので、と言われないために「すでに公表されている内容」と付け加えることは重要です。また、必ず具体例を聞きましょう。例えば誰もが知る有名人が会社を設立したという話であれば、ニュースとしての優位性があります。自分の会社の規模や事業内容でも実現できるのか、見極めるのは発注側の役割なのです。

また、メディアに露出するためには、受注側のフリーランス広報・PRがその業界の専門知識を持っていることは重要です。ニュースを常に追っていなければ、どのような記事なら露出がしやすいのかをアドバイスすることは難しいことなのです。

最近は何かと何かを掛け合わせた二刀流企業やサービス、例えば「物流×IT」「サステナビリティ×食品」などが増えていますが、この場合のベストは、関連する業界ニュースを追っているか確認することです。例えば、

  • 最近の物流関係の記事で、印象的なものがあれば教えてください。またIT関係の記事でも印象的なものがあれば教えてください。

などと質問してみると良いでしょう。記事の詳細を説明されるかもしれませんし、業界ニュースを追っていなくてもわかる「2040年労働者不足問題」などを説明するかもしれません。詳細であればあるほど、この業界のPRとして企業に貢献できるポテンシャルは高いです。

VOL.1所感

DX化が進み、プレスリリースをワイヤーを使用して配信することは当たり前になりました。そしてワイヤー配信のみを行なっている企業も多いと思います。

「メディアリレーション」という言葉は明確かつ詳細な定義がないので、相手(メディア)の顔や嗜好も見ずに一方的にプレスリリースをワイヤーで配信している人もメディアリレーションをしていると認識していることがあります。その一方で、ワイヤー配信に加え、新聞社や雑誌社にプレスリリースを持ち込んでいる人もいます。

「メディアリレーションは得意ですか?」
と聞いたら、前者も後者も「はい」と答えるかもしれません。つまりこの質問は、する意味がないのです。

そんなことを思いながら、みなさまの参考になる質問集を執筆できればと考えました。

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