読書感想文(235)相沢沙呼『invert Ⅱ;覗き窓の死角』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は城塚翡翠シリーズの3作目です。
単行本なので、図書館で借りました。
やはり面白く、一日で読み終えてしまいました。

今回はミステリー小説なので、感想がネタバレに繋がってしまうかもしれません。
直接的なネタバレは避けますが、気になる方はお気をつけ下さい。

感想

今回は二つのお話がありました。
まず一つ目については、正直完全にやられました。
そもそも、城塚翡翠シリーズであるにも関わらず、普通の推理小説として読んでしまった自分の愚かさに笑ってしまいました。そりゃ一筋縄ではいきません。
一方で、あーこれこれ、と騙されたことを喜んでいる自分もいました。
真相が明かされてから、これまで不審に思ってきた伏線が全て綺麗に回収されていくのはとても心地よいです。
ただ、城塚翡翠には自分で推理しろ!と言われてしまうかもしれません。

二つ目のお話は結構気合いを入れて読み進めたのですが、真相には辿り着けませんでした。
キーワードとして引っかかっていたものはあったので、悔しいです。
それに気づけていれば、それも気づけていたのに!という。

今回改めて、推理力をつけたいなぁと思いました。
城塚翡翠曰く、「注意深く世界に視線を向けて、常に疑問を抱くようにしていれば、大切な誰かが傷付いているときに、いち早く気づくことができるかもしれない」からです。フィクションのセリフを真に受けるのは少し恥ずかしい気持ちもありますが、でも自分の力が少しでも誰かの助けになれたらいいなとは思います。
それに、推理力がつけば推理小説ももっと楽しめるようになるはずですし。

今回覚えておきたいのは、「現場にあるはずのものがないなんて、探偵が疑問を抱くとっかかりになるのは当然」ということです。
あとは犯人の立場や意識です。咄嗟の犯行なのか計画的な犯行なのか、何を目的としてどんな行動を取ったのか。これを意識すると、注目するべきことが見えてくるのかなぁと思います。
こんな初歩的な事も意識できていない現状ですが、少しずつ積み重ねて成長していきたいです。
こうやって書いておいて、いつか推理小説の感想文だけを集めて読み返したら、それなりの体系ができるかもしれません。

今回自分なりに推理しながら思ったのは、自分は仮説を沢山立てたり色々と注目することはできるけれど、その中から推理に必要なものを抽出したり、推理を組み立てる力が足りないということです。どうすればその力が身につくのかわかりませんが、まず弱点を自覚するのが第一歩かなと思うので、書いておきます。

こうやって推理力を上げることを考えていると、中高生の頃に国語の成績をどうやって上げればいいのかわからなかったのに似ているなと思いました。
数学や社会は勉強したものがそのままテストに出ますが、国語は毎回文章が変わるので何を勉強したらいいのかわかりません。けれども結局、着目する点を見つける目を養ったり、公式とは言えないまでも一定の思考のパターンは組み立てることができます。推理においても、そうやって少しずつできるようになっていきたいです。

おわりに

城塚翡翠シリーズは今のところ3巻のみだと思いますが、まだ続きそうな終わり方だったので次回作がとても楽しみです!
次回作が出た時は、推理方法の復習がてらまた読み返したいと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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