読書感想文(282)恩田陸『六番目の小夜子』
はじめに
こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。
今回は恩田陸さんのデビュー作を読みました。
今年は恩田陸さんの作品を一番多く読んでいます。
感想
とても面白かったです。
読み始める時には、以前読んだ短編集『図書室の海』に収録されていたスピンオフのことを思い出していましたが、読み進めるうちに、どちらかと言えば『麦の海に沈む果実』に近いものを感じました。
学校という閉鎖的な空間、謎めいた噂、暗示、幻の小説、などなど。
高校生らしい幼さも、思えば理瀬達に当てはまることでもあります。
頭が良いように見えつつ、どこか抜けている所もあるのは、やはり作者より年下だと幼く描かれるからでしょうか。
この点は、辻村深月さんの作品でも感じたことがあります。
自分が学校というものを卒業してからこの本を読んだわけですが、改めて学校というのは特殊な環境だったなと思います。
一方で、社会の縮図のような一面もあります。
逆に言えば、社会だって一回り大きな特殊な環境なのでしょう。実際自分の見えている世界観のいかに閉鎖的なことか。
この世界観を広げていきたいなぁと常々思います。
おわりに
不思議な読み心地でした。
またいつかもう一度読みたいなと思います。
ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。
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