読書感想文(395)岡潔『岡潔対談集;司馬遼太郎:井上靖:時実利彦:山本健吉』
はじめに
こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。
今回は岡潔の対談集です。
読んだのは2024年ですが、記録用に思い出しながら感想文を書きます。
感想
この対談集は四人との対談がありますが、一番面白かったのは司馬遼太郎との対談です。
序盤、『古事記』が絶賛されていて、もっとちゃんと読み直さないとなぁと思いました。
また、日本史を勉強しないとなぁと思いましたが、手始めに司馬遼太郎の作品を読んでいくのもいいなと思いました。
創作であることはもちろん理解していますが、司馬遼太郎なりの日本人の心が描かれているのだろうなと思ったので、それを知ってから勉強した方が面白いだろう、と。
あとは芭蕉の句も読みたくなりました。これは山本健吉との対談で、ひたすら芭蕉は連句を見なければわからん、と言っていたからです。芭蕉の連句は日本の文学の第一、日本人というものが知りたかったら芭蕉の連句を調べるに限る、人生というものを知りたかったら、芭蕉に教えてもらうのがよろしい、などなど。
『奥の細道』は一応読みましたが、とにかく二人とも連句を推しまくっていたので気になりました。
それと『万葉集』ですね。私は中古文学を専攻していたこともあって『古今和歌集』の方がよく読んでいますが、岡潔は『万葉集』をひたすら推しています。
他に印象に残ったことはないかなーとメモを辿ったところ、講演で「現在に立ち、未来に直面していることを自覚する、理想憧憬希望を持つ→その自覚がなければ、牡丹の花盛りに日のよくあたる縁側で猫が丸くなって寝ている状態=幸福はあるが、理想や志はない」といった旨が述べられており、個人の幸福を追求する現代人には耳の痛い言葉だなと思いました。
その他、これも司馬遼太郎との対談ですが、「仏教廃止にしましょうか」という話も面白かったです。仏教関連では、法然の「あみだぶつというよりほかは津の国の浪華のこともあしかりぬべし」というのは排他主義、後回しにしているのは無害だから、創価学会はほっとけない、これは全体主義、といった話や、歴史の非常時点においては薬師如来のごとく行い、正常時点では阿弥陀如来の如く行為せよ、などなど。
一番心に留めたいと思ったのは、「善行を行うことによって人を感銘させ向上させるのが神国日本の菩薩道」という話。
子どもが大人に対して思っていること、大人になったら皆が忘れてしまうことですね。
おわりに
かなり読みやすく、示唆に富んでいて面白かったのでまた読み返したいです。
ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。