読書感想文(77)星新一『悪魔のいる天国』
はじめに
こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。
今回は星新一の短編集です。
以前『ボッコちゃん』を読んだ時、ショートショートは毎日少しずつ読んでもいいなと思いました。
それを実践すべく、毎日1話以上読むことを習慣化し、約1ヶ月かけて読み終えました。
感想
やはり面白かったです。
一つ一つについて感想を書くことは難しいので、印象に残った話についていくつか書きます。
とはいえ、正直何があったかあまり覚えていないので、目次を見つつ……笑
まず「情熱」というお話が面白かったです。
情熱をかけて宇宙に行く計画を立てるのですが、その情熱は後世に受け継がれるとは限らない、と。
ただ、どう面白かったのかと考えると難しいですね……。
いつも以上によくわからない感想文になりそうな予感です笑。
「もたらされた文明」は、良くない知恵が地球によってもたらされる話でした。
確かに悪知恵というのはいつか思いつくかもしれませんが、必要以上に教える必要もありません。
何も知らずにいさせる方がいいのか、或いは何が悪いのかをきちんと教える方がいいのか、どう考えれば良いのでしょうか。
後者であれば、それなりのシステムが必要です。その一つは法律だと思いますが、そうすると法律を守っていれば何をしても良いのかという話になります。
例えば恋愛は一対一であるのが健全だというのも、不思議な幻想だとは思いますが、これを守るべきだと恐らく多くの人が考えています。しかし結婚していなければ法律では裁けないと思います(違っていたら教えて下さい笑)。
では仮に浮気という概念を教えず、恋愛は一対一が当然という環境で暮らすと、人はどうなるのでしょうか?
これは検閲などの問題にも繋がってくるのかもしれないですね。教えるべきこと、教えるべきでないことを誰が決めるのか、という問題になります。
こういうのって、悪役として見れば「神にでもなったつもりか!」と悪態をつけますが、実際に良い悪いの基準は誰かしらの手によって作られているように感じます。
客観的な判断は難しくとも、自分なりの善悪の判断は持ちたいものだなと思います。そのためにも、色々と日々懐疑的に考えるのが良いと思いますが、そうするとまたしんどいんですよね笑。
「かわいいポーリー」については、似たような話を読んだことがある気がするのですが、星新一が最初だったのでしょうか。或いは、小学生の時にこの作品を読んでいたのでしょうか。その可能性は大いにあります。
いや、でも、その話では最後に蜂に刺されて元に戻った気がするので、やはり別の作品のような気がします。
その作品に今後出会うことはあるのかわかりませんが、見つかったら面白いなと思います笑。
「告白」はブラックユーモアですが、これも面白かったです。
ほんと、トリックが見事というか、上手いですよね。
「契約者」も悪魔に「この悪魔め!」と言わせるシチュエーションというおかしさ。いや、をかしさでしょうか笑。
星新一のショートショートはやっぱり面白いので、今後とも読んでいこうと思います。
おわりに
次は同じく新潮文庫で『ひとにぎりの未来』を読んでいきます。
恐らくまた一ヶ月後くらいになると思いますので、それまでに他の読書感想文を多数投稿することになると思います。