おいでよ、フィルムの沼Vol.1 【基礎編】
どうもみなさん。Arataです。
こちらの連載では、フィルムについて基本的な情報から、フィルムの撮影のコツや現像について、スキャン方法やフィルム自体のレビュー等々発信していきます。
この連載を読むことで、フィルムへの理解を深め、写真やフィルムをより楽しんでもらえるようになることを目的としています。
スキャナーでスキャンした、高画質のフィルムスキャンデータ等も配布したりしようと思ってますので、フィルムにちょっとでも興味のある方はぜひ見ていってね。
今回はまずは基礎編。フィルムってそもそもどんなもの?っていうお話です。
フィルムってなんぞや?
フィルムがそもそもなんなのかあんまり知らないって人、もしかすると多いのかもしれません。
私は1995年生まれですが、物心ついた時は写ルンです。の全盛期でした。フィルムの現像を近所のホームセンターでも受け付けていたり、ダイソー等でも普通にネガフィルムが売られていたりしました。
でもこれも小さな頃の記憶で、学生時代にはすでにデジタルカメラが台頭していました。
28歳の私ですらギリギリこんな状況ですから、もっと若い方からすればフィルム自体なんだそれ?ってなってもおかしくないかなと思いますので本当に基礎的なところから、お話をしていきます。
フィルムはデジタルカメラでいう「センサー」の部分を担うものです。
デジタルカメラはセンサーで受けた光を電気信号に変換して、写真を作り出しています。
一方で、フィルムは光を受けることで、フィルムの表面が化学反応を起こし、物理的にフィルム自体が変質し、色を生み出して像を浮かび上がらせています。
また、フィルムはそれぞれに固定のISO感度が決められています。デジタルカメラは自由にISO感度を変えられますが、フィルムはISOを変えることはできません。(現像時に増感・減感で調整もできますが、これはまた別で解説します)
ホワイトバランスも固定されていますので、こちらも撮影時に変えることはできません。
フィルムにおけるホワイトバランスは
デイライト
と
タングステン
の大きく2種類があり
デイライトフィルムは大体5500ケルビンあたりに設定されており、デジタルカメラのホワイトバランス設定でいう、「晴れ」モードに相当します。大体の場面ではこちらで対応できます。
タングステンフィルムは大体3200ケルビンあたりに設定されており、デジタルカメラでいう「蛍光灯」モードに相当します。蛍光灯下の室内や夜の撮影に適しています。全体的に青味がかった写真になります。
見分ける方法はフィルムの箱にデイライトタイプかタングステンか書いてあるので見てみてください。(メーカーによっては英語で書かれていたり、書かれていないこともあります)
ホワイトバランスが固定されてることが、フィルムの絵作りのフィルムっぽさを作り出している一つの要素になっています。
ですので、ホワイトバランスをオートでなく、5000〜5500ケルビンに固定して撮るだけで、デジタルカメラでも簡単にフィルムに近しい雰囲気で撮ることができたりしますね〜。
デジタルでフィルムを再現したいという人はまずこれをやってみることをオススメします。
フィルムの種類について
そんなフィルムの種類には大きく分けて2つあります。
ネガフィルム
と
ポジフィルム(リバーサルフィルム )
です。
ネガフィルムはnegative(ネガティヴ)の名前の通り、色が反転して記録されるフィルムです。フィルムというとこちらを想像する方が多いかなと思います。特徴をまとめると
このラチチュードというのはデジタルカメラでいうダイナミックレンジと同じもので、光量に対する、明るい部分と暗い部分の許容範囲の広さを表す言葉です。
ネガフィルムはこのラチチュードが広いのである程度露出が適正でなくても、きっちりと像を捉えてくれます。撮影の際にあまり厳密に設定に敏感にならなくても撮れちゃったりします。
ポジフィルムはpositive(ポジティブ)の名前の通り、見た景色が見たままの色でフィルムに記録されます。
実はネガフィルムよりも、ポジフィルムの方が先に開発されていました。フィルムに光を当ててスクリーンに投影するような使い方をされていたので、「スライドフィルム」なんて呼ばれ方もします。
特徴はこんな感じ。現在は高価ですし、現像方法も特殊で受け付けている店が限られているなど、少しハードルの高さもあります。しかし、ポジフィルムで撮影して現像から帰ってきた時の感動はなかなか他では味わえない物です。色が見たそのままで記録されるので、フィルムのまま写真を鑑賞することができます。また、ネガフィルムに比べて、高精細に記録できるところも利点です。
実際に見てみよう。
さて、ネガとポジ、2種類のフィルムがあることを知ったところで、まあ見てみないことには違いってわからないよねってことで、実物を見てもらいましょう。
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