最初の断片の磯崎Ⅰで語られたことが、より詳しく紹介されます。
第一段落
人体が建築の基本である「古典主義は一八世紀の中期まではほぼ順調な展開を見せた」のですが、それ以降が問題となります。建築における古典主義的デザインはラテン語のような、西欧社会のルールでした。
第二段落
18世紀の後半、理性に基づく科学的な考え方の影響が広がりました。そして建物は古典建築のようにデザインしなければならない、という意味での古典主義は絶対的なルールではなく、一つの立場になったのです。「とは言っても、古典主義=アントロポモルフィズムの図式が解消したことにはならない。」つまり建物の見た目は変わったとしても、その考え方が人体に基づいているという意味では、古典主義のままでした。
第三段落
例に挙げられるのは20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエです。彼もまた、人体と数学を建築の基本として考えていました。人間と理性はthe One だと考えられていたのです。
第四段落
ルネサンスの建物やコルビュジエの建物は「様式や形式のうえで」はまったく違うように見えるのですが、ここではそれらに共通する考え方を批判しています。
第五段落
そのような中心のthe One から逃げようとするとき、こんなデミウルゴスの神話的な像がモチーフになるのかもしれません。