表現者と創作物の悲惨な関係性とは。『エンド・ロール』、冒頭7,000字試し読み
第三十一回文学フリマ東京にて頒布予定のSF短編集「エンドロール」より、表題作『エンド・ロール』の冒頭7,000字を試し読みとして掲載します。本短編集はkindle版も公開予定なので、気になった方は是非Twitter(@satoru_arasi)のフォローをお願いします。
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「そろそろ彼女の声も消えてきたかしら」
アクリル越しの第一声は決まってこれだ。
そして私の返答も基本的には変わらない。ただ、多少のバリエーションは持たせるように努めている。何分実績の少な