見出し画像

90名組織のマネジメント経験からわかった「インサイドセールス組織の重要性・考え方」

はじめに

株式会社Cquick代表取締役の荒井です。私はこれまでメドレー社、LegalForce社の事業会社でインサイドセールスの立ち上げ・マネジメントをしてきました。LegalForce社では90名近くのインサイドセールスメンバーのマネジメントを担当しておりました。1年半前に株式会社Cquickを立ち上げ、「事業を最短・最速で上がり続ける仕組み・組織を創る」をコンセプトに営業企画代行として多くの企業を支援してきました。事業会社での経験とこの1年半の支援を通じて「インサイドセールス組織の重要と考え方」についてシェアする場がなかったため、今回noteに投稿することにしました。。

インサイドセールスの重要性

そもそも、「なぜ事業成長にとってインサイドセールスが重要なのか」についてお伝えします。インサイドセールスの活用メリットについては複数ありますが、今回は3点を紹介します。
※参考までに私が「インサイドセールスという業務に熱中した理由」https://note.com/arashow/n/na2e11f198b18

それでは、「インサイドセールスの重要性」の3点の「①新規売上の要」「②幅広い声を拾える」「③PDCAサイクルの効率化」を1つずつ紹介していきます。

新規売上の要
インサイドセールスは新規顧客の獲得において中心的な役割を果たし、「新規売上」=「商談数」×「単価」×「受注率」という公式に大きく寄与します。インサイドセールスで最もコントロールしやすいのは「商談数」であり、これが増えることは直接的に売上の増加に繋がります。前職でのインサイドセールスマネージャーとしての経験から、毎月何千もの商談を創出し、事業計画においても商談数が売上に与える影響の大きさを実感しました。さらに、インサイドセールスは商談の「質」にも注目し、「どの企業と、いつ、どのように商談をすべきか」を慎重に選定し管理することが、「単価」と「受注率」を最適化する上で不可欠です。

②幅広い声を拾える
 インサイドセールスチームは、無関心層から見込み顧客、さらには受注予定顧客まで、幅広い顧客層とコミュニケーションすることが可能です。特に電話でのコミュニケーションは1to1でリアルな声を拾うことができます。

顧客心理フェーズ

BDR(Business Development Representative)では、無知層、無関心層に出会うことも多く、「自社サービスは電話で理解してもらえているのか?」「お客さんの悩みは何か?」をリアルに把握することができます。特に事業開発段階、PMF前後やSDR主導からBDR開始のタイミングではこれまでリーチしていなかったお客さんと出会うことができ、顧客解像度及び反応を得ることができます。
これにより、ニーズ・悩みを詳細に把握し、製品やサービスの改善につなげることもできます。また顧客の声を直接聞くことで、よりターゲットに合ったマーケティング戦術であるWEB広告での訴求内容、セミナー内容、ホワイトペーパーなどのコンテンツのブラシアップにつながります。WEB広告ではコンバージョンしたお客さんの理由はわかりますが、コンバージョンしなかったお客さんの理由までは分析できません。インサイドセールスでは、重要なお客さんの声を拾うことができるのです。
ただし、マーケティングチームとインサイドセールスが組織分断によって情報が共有されないことも多くございますので連携の仕組化は必須です。

③PDCAサイクルの効率化
インサイドセールスは、PDCAサイクルを迅速に回すことができ、効果的な効果検証が行えます。日々の顧客反応から直接、「伝え方の変更」や「戦略の微調整」を試すことが容易です。特に、WEB広告など他のマーケティング手法と比較して、クリエイティブの変更や新しいアプローチのテストが迅速に実施できるため、市場の変動に対して素早く反応し、プロジェクトの成功率を高めることが可能です。

事業会社で経験した「インサイドセールス組織創りの考え方」

インサイドセールスは非常に重要な役割を担っていますが、私は事業会社でのインサイドセールスの立ち上げ・マネジメントをしてきた中で、成功した施策と失敗した施策を数多く経験しました。その中から「インサイドセールス組織」を構築する上で重要な考え方を3つ共有します。

①業務を分解し、業務の品質レベルを最大にする
②気まぐれなモチベーションケアの飲み会を開催しない
③「活躍するインサイドセールスを育てるのではなく、成果が上がる仕組みを育てる」

①業務を分解し、業務の品質レベルを最大にする
インサイドセールスには多岐にわたる業務が存在します。例えば、「リスト管理」「スクリプト作成」「メール送信」「架電」などです。できるだけ一人に多くの業務を依頼しないことが重要です。理由は二つあります。一つ目は、「業務の品質レベルを最大化できるような改善努力をする」こと。一つの業務に集中することで品質向上のためのコミュニケーションがしやすくなります。二つ目は、「業務を平準化する」こと。インサイドセールス業務が属人化する主な理由は、一人が多くの業務を持ち過ぎており、業務がブラックボックス化してしまうからです。業務を分解することで、細かなノウハウがマニュアル化され、採用基準を広げることができます。例えば、「メール業務」は自動化するか、専任のメール担当を採用し、高い開封率や反応率を追求します。「リスト管理」では、アプローチ先リストを整理し、商談化率の高い傾向を分析・検証します。
実際、弊社のメンバーには「架電」が得意が「他のメール業務」「レポーティング」などが苦手な方がいます。ただ、業務を分解し、「架電」だけに集中してもらえる環境を作るだけでチーム平均の2倍以上の成果をあげています。

②気まぐれなモチベーションケアの飲み会を開催しない
気まぐれに飲み会を開催すると、招待されなかったメンバーから不信感を抱かれることがあります。また、飲み会の効果は一時的で、すぐに元の状態に戻ってしまうことが多いです。そのため、3ヶ月に1回の全体でのワークショップやチームビルディングのイベントを計画的に実施し、チームの団結力を高める機会を設けています。例えば、インサイドセールスの人数が急増した際には、名前と顔が一致せず、ノウハウが共有されない問題を解決するためにカレー作りワークショップを行いました。

③「活躍するインサイドセールスを育てるのではなく、成果が上がる仕組みを育てる」

教育状況・施策を見ると、多くの企業が個人の成長にフォーカスしています。特にインサイドセールスプレイヤーは約1.5年〜2年で卒業し、リーダーや他部署へ異動、あるいは転職することが多いです。これでは、「個人の成長」にフォーカスするだけでは組織全体で見ると会社に資産としてノウハウが蓄積されません。理想は「成果が上がる仕組みを育てる」ことです。個人を育てる過程で「教育内容」にもフィードバックを取り入れ、教育体制を構築します。また、教育する側は、内容の網羅性、教育施策の優先順位、ドキュメンテーションを重視し、新人が入社した際にもスムーズに業務を開始できるようにします。具体的な方法については非常に長くなってしまうため、またnoteに記載いたします。

Cquickが考える「インサイドセールスの組織創り」

大前提ですが、企業によってインサイドセールスの創り方・あるべき姿は異なります。弊社へご相談いただくパターンは大きく2つあります。1つは「インサイドセールスをこれから立ち上げていきたい企業」。2つ目は、「組織にジョインされた方が前職のインサイドセールスを見ていたのでそのやり方をそのまま導入してうまくいかれていないケース」です。
営業先の企業規模・部署、現状のインサイドセールスの営業レベル・人数、リード流入数、商談数目標、商談の質によって組織創りは全く異なります。ただ、うまくいきそうな施策や必ず失敗する施策などは弊社のノウハウとして蓄積されていますのでそういった情報は少しずつ公開できたらと思っております。

最後に

色々な方と情報交換させていたいだおります。コメント・情報交換をできると幸いです。ぜひ、私のXにコメントもしくはDMいただけると嬉しいです。
「インサイドセールス代行会社を立ち上げたい・強化したい方」「キャリアアップしたい方(採用も行ってます)」「インサイドセールス教育を強化したい事業会社の方」などぜひ情報交換させてください。よろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?