書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)61ミハイルside
『四公の夫人として生きていると息が詰まってね。私にも、貴方のお祖父様にもどうしようもなくなったの。ロブール家に嫁ぐ前も、その後も色々あったから上手く心の整理ができなかったのね。でもある日お祖父様があの離れを作って下さったわ。私達夫婦にとって大恩ある方と時々こっそり会っていた、思い出の場所に似せてね。時々あの離れで1人で過ごすようになって、蓋をしていたあの方との思い出にやっと浸るようになって、それからよ。肩の力を少しずつ抜けるようになったわ。そしてそれはお祖父様もそうだったので