嵐華子

【書籍化作品】 ・稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ(既刊二巻共に重版、三巻2024/8/9発売予定) 過去に各小説サイトで投稿した自作小説(ライトノベル)を公開していきます。 複数サイトにて投稿しているものの、各サイトで同時に不具合が発生したので……。

嵐華子

【書籍化作品】 ・稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ(既刊二巻共に重版、三巻2024/8/9発売予定) 過去に各小説サイトで投稿した自作小説(ライトノベル)を公開していきます。 複数サイトにて投稿しているものの、各サイトで同時に不具合が発生したので……。

マガジン

  • 稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ

    ・既刊作品のWEB版。 ・(恋愛?)ファンタジー小説。 ・思いつきで書いている ・当然ですが書籍とは異なる部分に、比べ物にならない乱雑な文章。 ・誤字脱字あり ・基本的に句読点改行。 【あらすじ】 その昔、無才無能な稀代の悪女と呼ばれた王女がいた。 婚約者を奪われて嫉妬に狂った王女は悪魔を呼び出そうとする。 奪った令嬢を生け贄にして。 けれどその時、王女の異母兄である王太子が立ち上がり、悪魔共々王女を討ち滅ぼした。 「ふふふ、事実は小説より奇なりね」 ーーでも良いの。 王女だった私は別の世界での一生で、心から癒やされたもの。 けれど再び元の世界で産まれ、稀代の悪女と同じく立場ある公女となった彼女もまた、周囲から無才無能と蔑まれる。 なのに彼女は、ラビアンジェ=ロブール公女は今日も淑女の微笑みを浮かべて右から左へ受け流す。 「だって無才無能の方が何かとお得でしょ?」

  • 太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?

    とある娘は何度目かの転生を果たす。 前々世は異世界にある大和の国で太夫と呼ばれた。 前世はこの世界で傾国の娼妓と呼ばれ、最後はやり手爺に転身。 今世はこの世界で数打ち妃の1人から、悪妃と呼ばれるまでの後宮妃伝(異世界ファンタジー)。 ※他サイトに掲載中の小説をちょっとずつ移行して投稿予定。

  • かくしおに

    大昔、ホラーを自家発電しようとして作った話。 まだnoteにデータ移行してないけど、「【溺愛中】俺の番は〜という長編小説(異世界ファンタジー)」から派生した真夜中の廃墟が舞台の現代ホラー。 ※長編を見てなくても問題なし仕様。

  • あなたのなくしたものをさがします

    マンガ原作部門に作ってみたやつ。プロローグ程度しかない。時間ができた時に長編小説にしていくかも?

  • 子供との日常短歌

    子供との日常を短歌にした三作。 ある意味黒歴史みたいな作品。 クスッと笑っていただければ本望。

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【稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ】あらすじ、WEB版、書籍紹介

(あらすじ) 中身お婆ちゃんなラビアンジェが、三度目の今世を勝手気ままに楽しむ物語。 ●前々世↓ 無才無能な稀代の悪女。婚約者を奪われて嫉妬に狂い、奪った令嬢を生贄にして、悪魔を呼び出そうとした。けれど王女の異母兄である王太子が立ち上がり、悪魔共々王女を討ち滅ぼした。 ――と、死後も語り継がれる王女。 ●前世↓ 別の世界(日本)に転生。86歳で子供、孫、ひ孫に囲まれて天寿を全う。年下の旦那さんは先に死別。一つ前の人生で傷ついた心はこの人生で癒される。 ●今世↓ 前々世で

    • 書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)61ミハイルside

      『四公の夫人として生きていると息が詰まってね。私にも、貴方のお祖父様にもどうしようもなくなったの。ロブール家に嫁ぐ前も、その後も色々あったから上手く心の整理ができなかったのね。でもある日お祖父様があの離れを作って下さったわ。私達夫婦にとって大恩ある方と時々こっそり会っていた、思い出の場所に似せてね。時々あの離れで1人で過ごすようになって、蓋をしていたあの方との思い出にやっと浸るようになって、それからよ。肩の力を少しずつ抜けるようになったわ。そしてそれはお祖父様もそうだったので

      • 【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第67話

        「その言葉だけで十分ですのに。ああ、けれど後でまたお茶にお誘いしてもよろしいかしら。高価な物から安価な物まで、お茶がお好きな方にこそ振る舞いたいお茶もあるわ」 「ほう。それは期待してしまいますな」  そう。お茶は高価であれば良いという訳ではありません。この言葉に乗って来たという事は、司空は本当にお茶好きなのでしょう。 「もちろん皇貴妃も、ご一緒下さると……」  そこで息を止めて頬を赤らめてから、両手を頬に添えて息を吐き出します。 「その……嬉しゅうございます」 「はは

        • 書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)60ミハイルside

          「君達も、もちろんシエナ、お前も勘違いをしているように思う。私は厳しく注意をする事はあれど、1度として実妹であり同じ嫡子であるラビアンジェ=ロブールを軽んじて貶めた事はない。もちろん実父であるロブール公爵自身もだ」  冷たく見据えれば、とうとう他の2人の令嬢達が涙ぐむ。  侯爵家と四大公爵家とでは格が違い過ぎるのだから、仕方ない。  しかし嫡子という言葉を出した途端に、義妹はむしろ涙が引いて膝の上でスカートを握りしめ、どこか悔しそうな顔に変わっていた。  そうか……そ

        • 固定された記事

        【稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ】あらすじ、WEB版、書籍紹介

        • 書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)61ミハイルside

        • 【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第67話

        • 書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)60ミハイルside

        マガジン

        • 稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ
          62本
        • 太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?
          67本
        • かくしおに
          9本
        • あなたのなくしたものをさがします
          3本
        • 子供との日常短歌
          3本
        • ダーリン(仮)闇堕ち防止計画(全20話)
          20本

        記事

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)59ミハイルside

          「どうした? 馬車の件も、離れの件も、何が正しいのかは調べればすぐにわかるだろう。お前が正しいなら何も問題はない」 「そ、んな……」  義妹の顔が愕然としたものに変わり、顔色が悪くなっていく。 「シエナ、何故そんなに驚いている? 心配せずともラビアンジェの言葉を鵜呑みにするつもりはないから安心しろ。私にとってはどちらも妹である事に変わりはないんだ」  そう言って今度は義妹の両隣の2人を見る。 「それから良い機会だから、君達にも言っておく。ラビアンジェはロブール公爵家の

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)59ミハイルside

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第66話

          「どうしたのです、静雲」 「巧玲、貴女もよ」  何かしら疑いを含む翡翠色をした皇貴妃の瞳。そしてどこか愉悦を含んだ梅花宮に住む貴妃の、赤茶色の瞳。二人それぞれが、各々身近な関係である嬪を見つめます。 「はて? そちらの嬪達は調子が悪くなったのか」  西方の貴妃と嬪の縁者である大尉も、何やら興味を持ったようです。 「まあ。でしたら宮にお帰りになりますか?もちろん可否は、陛下と皇貴妃が判断される事ですが。折角、茶を私手づからお出しする良き機会かと思っておりましたのに」

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第66話

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)58ミハイルside

          「シュア、こっちは終わった。1年生と3年生達も合流……」  言いながら後ろに各学年の生徒会役員達を3人引き連れてヘインズがガチャリとドアを開けた。  その瞬間、義妹がはっとした顔をして叫んだ。 「お義姉様が私と同じ馬車に乗りたくないって仰ったの! 私なんてロブール家に相応しくない養女だって! 義妹ですらない、嫌いだって!」  ぽろぽろと涙を流し、言い終わると顔を覆って、わっ、と泣いた。 「シエナ、またラビアンジェ公女に虐められたのね!」  義妹と同じクラスの侯爵令

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)58ミハイルside

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第65話

          「……何故こうも、お前の淹れた茶は味が違うのだ」  銀の茶杯を軽く眺め、ゆっくりと口に含んで味を確かめた陛下は、そのままコクリと喉を潤してからそう告げます。 「まあ? お口に合いませんでしたか?」 「……いや、何故か美味い」  どこか憮然とした顔ですが、褒め言葉は素直に褒めていただきたいものです。の夫はへそ曲がりですね。  ゆっくりと飲んだのは、毒の混入を警戒する日々の習慣からでしょう。私が毒を入れたか疑っているわけではない……はず? 「ふふふ、嬉しいです、陛下! 

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第65話

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第64話

          「滴雫の淹れた茶は格別と聞いた。淹れてはくれぬか」  無駄に微笑んだ夫が、私の方にズイッと茶盤を寄越しました。微笑みの中に仄暗さを感じるのは、気の所為でしょうか? 「もちろんにございます」  対して私は、花が咲いたような微笑みを浮かべて色良いお返事をしておきます。勿論、心とは裏腹ですよ。  慣れた手つきで自分と陛下、二人分の茶を用意し始めます。  陛下の言動は、打ち合わせにありません。お茶を淹れるのはこの国の作法の一つです。  陛下も含めて皆、迷いなく淹れられるは

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第64話

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)第57話〜ミハイルside

          『もちろん悪気ない事は私はわかっているさ。それよりラビアンジェの部屋に入る時に使用人は誰も止めなかったのか?』 『えっ、ええ。たまたま居なかったから』 『そうか。ちょうど父上からこの邸の管理を引き継ぐよう言われたからな。この邸と敷地内の防犯を1度見直そうと思っている』 『そうなのですか?!』 『ん? 何故そんなに驚く? 長らく変わっていないなら点検や見直しをするのは当然だろう。今日は私達3年生は授業が早く終わったからな。少し見回っていたんだ』  成人してからロブール家が治め

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)第57話〜ミハイルside

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第63話

          「こうして四夫人が揃った事を慶事とし、皇妃と共に内々の茶宴を用意した。思えば他の宮の貴妃や三嬪も、催事以外で顔を合わせて談話する機会も少なかろう。皆にとって良き機会となればと思う」  藤色髪、紫紺色の瞳をした我が国の皇帝陛下が、まずは主催の一人としてご挨拶。  私の法律上の夫である陛下は、約束通り沙龙を催してくれました。あくまでお茶と菓子のみの歓談。勿論、目的は顔合わせですよ。  陛下は宝玉を持った五本爪の龍が肩口に刺繍された長衣を羽織っています。ですが朝廷で着る礼服よ

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第63話

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第62話〜三章前の事前情報〜

          次章に進む前の、主に登場人物をメインにまとめています。これから登場する三嬪について大きなネタバレにならない程度に書いてあります。事前情報1も加筆していますので、よろしければそちらもご覧下さい。 ____________ 【四夫人】 皇帝の法律上の妻。皇貴妃(皇妃)の位が一番高く、他三貴妃は同列位。夫の姓である王を名乗る為、皇貴妃や貴妃、もしくは名前で呼ばれる。 【三嬪】 三人の側室という意味。生家の姓を名乗る。以前は四嬪だった。 ■春花宮、夏花宮、秋花宮にそれぞれ居し、

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第62話〜三章前の事前情報〜

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)56〜ミハイルside

          「何年か前からは定期報告になっているが、他にシュアが気になった事があれば教えてくれ」  影は何年か前から付かなくなったはずだ。なのに王子がわざわざ俺にこの報告書を見せるのなら、何かを見て余程の衝撃を受けた可能性が高い。  本心を言えば、何も無かったと思いたい。だが現実は無情だ。 「実は慰謝料を今日渡そうとしたんだが……金貨を大袋で3袋」 「なかなかの額だな」 「第2王子の婚約者であるロブール第1公女への慰謝料に相応しい額と言われた」 「まあ、妥当か」 「ああ。だが持って

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)56〜ミハイルside

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)55〜ミハイルside

          「リュンヌォンブル商会にDクラスが関わったのは良かったのかもしれないな」  幸運のシュシュの売上げは教会に、普通のシュシュの売上げは各塩害地域の孤児院に寄付した。それも学園の名を出して。  だから一年生の学園祭で残った補助金を二年生になった時の補助金に当初の半額ではなく、全額を上乗せする事が許可された理由の一つだろう。  これまでのDクラスには見られなかった行動だが、やり手の商会が関わった事で、それこそ戦わずして富を得られる方法を学んだのかもしれない。 「どういう事だ

          書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)55〜ミハイルside

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第61話〜小雪side

          「門がやけに古めかしいな、右鬼」 「古めかしい? コレ、そんな程度か? 木が朽ちかけているぞ、左鬼」  一番後ろにいる背の高い双子が、首を傾げ合う。同じ顔をしていて、濡烏色の前髪をそれぞれ左右対称に分けている。  双子と私は初めて会ってから、早十年が経つ。そこそこ良い年だ。なのに双子の体躯は、当時から遜色なく鍛えられたのが見て取れるし、顔も大して老けていない。 「やれやれ。道を間違えたのかのう、雛々よ」  先頭でそうぼやくのは、中肉中背で少しばかり背の丸くなった白髪の

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第61話〜小雪side

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第60話〜小雪side

          「兄様! 兄様! もういいよ! 何もしなくていいから! 手を離して逃げて!」  泣き叫ぶ私の体は、今よりもずっと小さい。  けれど崖にぶら下がっている私の手を掴んで必死に耐える兄様の体もまた、少年と呼べるほど幼い。眼下には凍える河が流れている。  私が兄と呼ぶ少年の体は、痛ましさを覚えずにはいられないほど火傷だらけだ。特に私を庇って炎に曝された右半身は酷い。  額から瞼にかけての3本爪の古い痕といい、いつも兄様は私のせいで大怪我をする。 「いたぞ! 将軍! いました

          【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第60話〜小雪side