見出し画像

【映画】Hハン・ヨルム

韓国の俳優さんです。
出演作も日本で知る限りはそんなに多くなさそうです。
とても可愛い人なのですがそれだけではない、この2本の出演作との相乗効果があるような気がして私は大好きです。どちらもキム・ギドク監督作。
 他にも出演作を探しましたが手に入れられませんでした。ざんねん。でも紹介したい女優さん、と作品。

1
「サマリア」

女子高生のヨジンとジェヨンはとても仲良しでいつかヨーロッパ旅行へふたりでいこうという夢がありました。その夢の資金を稼ぐため思いついたのは援助交際。ネットで知り合った男性の相手をするのはヨジン、ジェヨンは男たちと会う約束を取り付け、売上金を管理します。

 男の職業を聞いてその生活に思いを馳せる、援助交際をしながらも男たちを慈しむようなヨジンの姿勢がジェヨンにとって理解できません。楽しんでいるように見えるヨジンに嫉妬の苛立ちをジェヨンはぶつけます。
 そんな日々が続いたある日、ヨジンが入ったホテルに警察が突如踏み込み、追い詰められたヨジンはホテルの窓から飛び降りてしまいます。
 ジェヨンは必死に病院へヨジンを抱え、連れて行きますが見守る人もなくヨジンは息を引き取ってしまいます。その後、ジェヨンは男たちからヨジンが受け取ったお金を手に考えます。男たちとまた会う約束を取り付け、今度は自分の体を与え、そしてお金を返していくことを。

少女の甘い企みをじっと見守っていたのはジェヨンの父親でした。不可解な娘の行動を娘に気付かれない距離から見守るのです。その遠くから娘を見守り、導く父親の姿には胸が痛みますしその愛の深さを思い知らされる衝撃の作品です。

ハン・ヨルムさんはヨジン(右)を演じます。
派手でもない清純派なビジュアルながらも軽やかに売春をこなしていく役です。それもひとりひとりに愛を傾けながら。その不思議ちゃんに見えて悟り切ったかのようにも見える、紙一重なバランスを体現している存在に思えます。
 ストーリーの主流となるのはジェヨンでありジェヨンの父親なのですがヨジンはジェヨンの元に降り立った妖精のように人への赦しを教えているようです。

奇抜なストーリー展開ですが、なぜかしんみりと人生の指南書のような余韻を抱いてしまい戸惑ってしまった、不思議な作品です。




「弓」

同じ人か?と思うほどイメージが違うのはなぜなんでしょう。
弓、という作品です。

大海に舟を浮かべて暮らす老人と少女のお話。老人は少女が17の歳になった時、結婚をしようと決めています。少女は自分がどこからきたのか、親はどこなのかもなにも知りません。老人に育てられるがままに舟の上で暮らします。舟は釣り人を運び釣り場を提供する漁船を営んでいました。ある日乗り込んできた釣り人の青年に少女は恋をします。青年も少女に思いを寄せ、少女と結婚しようという老人の異常な考えに抗い、両親を探しに少女を連れて行こうとします。

どこまでも続く鮮やかな青い空と境目がわからないほど深い青の海の上で物語が広がります。老人が抱いた恋心と少女が老人に持つ思慕の気持ちはきっと別のものでしょう。しかしそのラストは区分けされたそんな思いの境目さえ曖昧にさせるような強い思いが描かれます。

ぼんやり言いましたがぜひその目で見てもらいたい。世にも奇妙で珍妙で真面目で深刻な物語。キム・ギドクの世界です。


この作品に出てくるハン・ヨルムさんは可愛いというか美しいです。空の青、海の青、纏う白、唇に引く赤、どの色にも負けない自然な美しさを持ち合わせている存在感。
なんでしょう可愛いっていうことはこんなに神聖にも思えるものなのですね(´ω`)

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集