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コミケ戦利品紹介・評論編その2
まだまだあるので一気に紹介してきましょう。
・『あなたの知らないスパムの世界・特大編』 発行:がちま家 著:麻生あいみ
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最近は日本でもスーパーの缶詰コーナーで見かけるようになったが、米国占領下だった沖縄では終戦直後から広く使われ、チャンプルーや味噌汁の具として馴染みの食材になっているとか。賞味期限も常温で3年持つため非常食にもなり、著者曰く「台風で物流が止まった際は『台風コロッケ』ならぬ『台風スパム』」。認知度の高さが伺えますね
一度食べたことがあるので「塩っ気が強い!」てのは知ってますが、沖縄限定で「うす塩味スパム(カロリー抑えめ)」という商品もあるらしく、もし沖縄旅行に来たら買って損はないそうな。それなら美味しく食べれそう。薄く切ってホットサンドにするのもアリか? 他にも「ベーコン入りスパム」「チーズ入りスパム」等々、今まで見たことも聞いたこともないスパム情報が満載。他、スパム入り和風パスタやスパム丼など、思わず実践してみたくなるレシピ付き。気になるのは多々あるけど、まずは一番簡単なスパムむすびからかな。
・『オタクの知らない業務スーパーの世界・スイーツ編』 発行:しるめり庵
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そのボリュームとお値段からコスパの良さでおなじみの「業務スーパー」。スイーツ編とあるように、お菓子やらデザートを簡単な実食コメントと一緒にとにかく紹介。しばしばSNSでバズる「牛乳パックに入ったプリン1kg」はもちろんのこと、クッキーからビスケット、タルトやワッフル、カップケーキにはたまた大福やお団子まで、種類が豊富。こんなにあったの? とホントに知らない世界を教えてくれる感じですが、
「かかってこい!血糖値!」
とある通り、定期検診では案の定引っかかってしまったというオチも。とりあえずお身体は大切にしてください。とはいえ、この中からどれか一つ食べたいのを選べと言われたら迷うだろうし、だったら全部食ってしまいたくなる気持ちも分かるなぁ。なのでまずはジャンボマシュマロをパンに載せて焼いて食べてみたい。絶対に悪魔の朝食になるよ、コレ。
・『二次元キャラクターとの結婚式のしかた 第4版』 著:近藤顕彦
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初音ミクさんと結婚した近藤顕彦氏による、二次元キャラとの結婚式に関するアドバイス本。また近藤氏以外にも、男女問わず二次元キャラと式を上げた方々の体験談も紹介しています。
今回の「二次元キャラクターとの結婚式のしかた 第4版」には、最後の方のページに次元局様(@Nabemarine2020)とシェアウェディング様(@ShareWedding1)の案内を並べて載せています。それぞれ二次元キャラクターとの婚姻届の受理と、結婚式をやってくれます。どちらのアカウントもフォロー推奨です。 https://t.co/GglGjGQuYX
— 近藤 顕彦【⋈🗻🌰】ミクさん大好き (@akihikokondosk) January 3, 2023
この「次元局」というのは好きなキャラクターと疑似的にケッコンできるwebサイトで、これまでに100組以上の結婚証明書を発行してきたそうです。中国や香港のTV局からも取材を受け「これを待ってた人や喜ぶ人はいるでしょうね」と好意的なコメントを頂き、また欧州や南米からキャラクター愛を語るメールが何通も届いたとか。
これね、物凄く分かるんですよ……誰とは言えないが、実は自分にも
「もし可能なら、このキャラと一緒にいたい」
てな想いがあるんですね。ホントです。ただずっと前に一目惚れしたものの、どれだけ調べてもどういうキャラだかは全く不明。ある有名な絵師さん(※プロの方)が、某所の特典用に描き下ろしたキャラだというのは判明しましたが、それ以上は分からない。でも大好きなんです。
こういうのでも可能なのか? という疑問を抱きましたが、本著を読むとその道筋も見えてきます。二次元キャラはすなわち著作物でもあるため、当然ながら作者(or著作権者)がいます。そういった方面へもどのように交渉したかの経験・体験談もきちんと紹介。その上でこの本は語りかけます。
「二次元キャラを愛する人たちが一人でも多く幸せになってほしい。」
と。
……二次元キャラを愛する、というのはフェティシズムに近いと思えます。「フェチ」と書くと何やら偏愛のように聞こえますが、もともとはポルトガル語で「物神崇拝」すなわち山や海、石や木といった「モノ」を崇めるという、原始的な崇拝を指す言葉を由来としています。なので、神様の代わりになる像を崇めるという「偶像崇拝」とは別物だそうです。
つまり原始から人間には、人間ではない「モノ」を崇める精神が備わってたことになります。それが発展して「二次元」に向けられたとしたら、さてどうでしょう? 変わり者だと呼ぶのはおかしくありませんか? 無論それをおかしいと呼ぶ自由もあるでしょうけど、「モノを崇める精神」と「誰かに対して惜しみなく愛を注ぎたい感情」が合体することに、自分は何一つ不自然さを感じません。
てことは、今こそ「幸せになる時」なのかな。