千人風呂は万人に薦めたくなる風呂だった。
サフィール踊り子で伊豆急下田へ着いた後に、一駅だけ戻りました。
鈍行に揺られて数分、蓮台寺駅に。そこから歩いてまた数分。目指すは「金谷旅館・千人風呂」なるところ。その名の通り宿泊施設ですが、日帰り温泉も行っているとか。伊豆の温泉なんていつ以来になるやら。それにしても何がどう「千人風呂」なのか?
で、浴場に入ると……
木造の浴室スペースのうち、九割方が湯舟みたいなもんでした。残ったスペースの壁沿いに、身体洗い用のカランがズラッと並んでる、そんな場所。
そこで身体を清めてから、いざ入湯。
おお、熱くない。しかしぬるくもない。これぞ「丁度良い」湯加減と呼びたくなる絶妙さ。
と、よく見ると湯舟が二段階で深くなってます。そちらへ移ってみました。
その移った瞬間に、フワッ、となったんですね。深くなって沈んだ時に、心地良いお湯が支えてくれるような……これはたまりません。
深い側は1メートルくらいだそうで、ほぼプールです。腰掛けられるところへ行き、座ってみると足が宙ぶらりんに。ここでゆっくり深呼吸して、脱力タイムに入ります。
……いやもう、これは長く浸かってられますよ。何せ適温ですから、ええ。しかも足には何の負荷もかかってない状態です。そこを「丁度良い」お湯が包んでくれたのなら、もうね。
何だかんだと一時間は滞在したでしょうか。日帰り温泉だと2時間までですが、宿泊なら時間の許す限り入ってられるのか。いいなぁ。千人風呂は万人に勧めたいお風呂でした。
なお「千人風呂」の由来はその湯舟の広さから来ているようですね。立ったままなら千人入るか?