最新戦法の事情【振り飛車編】(2022年8・9月合併号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋の最新型を解説したいと思います。
なお、当記事の注意事項は、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらからどうぞ。
最新戦法の事情 振り飛車編
(2022.7/1~8/31)
調査対象局は135局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。
◆先手中飛車◆
~美濃囲いを簡略化する~
15局出現。前回の期間から比べると、出現率は8.4%→11.1%と増加しました。これの要因としては、先手中飛車の難敵である後手超速への対策が増えたことが挙げられます。
後手超速には様々な指し方がありますが、現環境で最強と見られているのが桂跳ね優先型ですね。
図が示すように、△6一金型のまま二枚の銀と右桂を活用するのが優秀な駒組みです。この作戦に対して振り飛車は、あの手この手で対抗していましたが、どうも有効な対策が無く、現環境ではこれを回避しなければならないという見解が定着しています。
なお、この作戦の詳しい解説は、以下の記事をご参照くださいませ。
という訳で、振り飛車はこの形を回避する工夫が求められています。今回は、その工夫を二つ解説したいと思います。
■ 後手超速 VS 1筋位取らせ型
現環境の注目株の一つが、△1四歩を放置して駒組みを進める手法です。端の位を取らせるのは本意ではありませんが、こうすれば中央方面の整備が進むので、急戦を受け止めやすくなるという理屈ですね。
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