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最新戦法の事情【振り飛車編】(2023年 春季号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋の最新型を解説したいと思います。
なお、当記事の注意事項は、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらからどうぞ。
最新戦法の事情 振り飛車編
(2022.12/1~2/28)
調査対象局は196局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。
◆先手中飛車◆
~悩ましい端歩の関係~
19局出現。出現率は11%→9.7%と推移しており、やや減少しています。先手中飛車はアグレッシブな作戦の一つですが、ここ最近はあまり支持を得られていない印象を受けますね。
居飛車は、相変わらず後手超速が一番人気の対策。対して、振り飛車は☗6六銀型で対抗するのがポピュラーです。このマッチアップになると、以下の局面は迎えることが多い形の一つでしょう。(第1図)
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これは、桂跳ね優先型の局面から☗5四歩☖同歩☗同飛と進んだ局面です。ここで居飛車は☖6五桂と跳ねる手が有力視されており、それで居飛車がリードを奪えることが概ね定跡化されています。詳しい内容は、以下の記事をご覧いただけますと幸いです。
【5筋の歩交換に対して、☖6五桂から攻めて行く変化】
https://note.com/arakippe/n/naf94d6138fdb#d68f7cb7-d737-44fc-a224-3a6d1048d392
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ただ、現環境では、あえて☖9四歩と手待ちする手も一考の余地があると見られています。今回は、この手を掘り下げていきましょう。
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