
【渾身の質問を考える!】平日夜の読書会──このゲームにはゴールがない
本記事は荒川出版会主催読書会のお知らせ記事です。申込はこちら。
*このイベントは、オンラインのみの開催です。
*できるだけ事前に一度は通読(とりあえず全体に目を通した状態に)しておくことをおすすめします。
娘が卵焼きの味について本音を隠したと気づいた後、彼女は私にとって遠い存在になり、それによって、むしろ以前よりも近い存在になった。── はじめにより
「心は自分の中にある。他者の心には直接的にアクセスできず、外面を通して間接的にしか知ることができない、ゆえに、原理的に他者の心を完全に知ることは困難(不可能)である。」このような心の捉え方は秘密の部屋モデルと呼ばれ、多くの人が抱いている心の捉え方であると考えられます。
この秘密の部屋モデルは言語の誤用によって生まれる一つの像であるとウィトゲンシュタインは指摘しています。それに対して、スタンリー・カヴェルは、秘密の部屋モデルを単なる誤りとしてではなく、私たちが日常生活を送る中で不可避に誘われてしまうものである(そして、それは悲劇である)と指摘します。本書では、このような秘密の部屋モデルを巡る議論を紹介しながら、日常生活とそうした議論を結びつけつつ、秘密の部屋モデルについて探求していきます。
秘密の部屋モデルは、突き詰めていけば、他者とわかりあうことは不可能であるという結論に至ります。しかし、私たちは、日常生活の中でしばしばそのモデルに必然的に行きつき、それによって苦悩します。たとえば、親しいはずの恋人に対して、「あの人の気持ちがわからない」と悩み、「本当に私のこと好き?」と確認し、好意的な反応が返ってきてもそれが信じられないと苦悩します。このように苦しみを生み出す一方で、私たちを常に魅了し続ける秘密の部屋モデル。なぜこうも秘密の部屋モデルは私たちを魅了するのでしょうか。
このようなことを考えるために、本読書会では、秘密の部屋モデル(正確には、他者の心についての懐疑論)を正面から論じた『このゲームにはゴールがない──ひとの心の哲学』を読む機会を作りたいと思います。本書は、秘密の部屋モデルという人間の心の捉え方を改めて見つめ直すヒントを与えてくれています。本書を読み解きながら、秘密の部屋モデル(他者の心についての懐疑論)について、あれこれとみんなで考える時間を作りたいと思います。
〈考えてみたいこと〉
秘密の部屋モデル(他者の心についての懐疑論)とはいったい何を意味しているのか
他者の心についての懐疑論はそもそも乗り越えられるべきなのか
人間の心の特徴とはどのようなものであり、なぜそのようなことが必要とされるのか
秘密の部屋モデルには、私たちにとってどのようなメリット/魅力があるのか
なぜ、私たちは秘密の部屋モデルにすがりついてしまうのか
秘密の部屋モデルに誘われない方法はあるのか
秘密の部屋モデル以外のモデルがあるとして、そのモデルは私たちに何をもたらしてくれるのか etc...
著者である古田徹也先生にご協力をいただき、質問に対してメールでのご返答をいただけることになりました!
本読書会を通して、参加メンバー全員で、「これは古田先生にぜひ聞いてみたい!」という渾身の質問を1問考えます。その質問は、実際に古田先生に荒川出版会からメールでお送りして、ご回答をいただく予定です。古田先生からご回答いただいた内容は参加メンバーにも共有いたします(荒川出版会noteでも公開予定です)。
みんなで読むだけでなく、著者とのやりとりもある読書会となっております。本読書会を通じて、古田先生を唸らせるような(?!)渾身の質問をみんなで練り上げていきましょう。(もちろん、自分としては質問は思いつかないけど、他の参加者がどのような質問をするのか気になる、といった方もご参加いただけます。)
みなさんのご参加をお待ちしています。
〈こういった方におすすめ〉
平日の夜にちょっとだけ読書する時間をつくりたい
ひとの心の哲学に触れてみたい
ひとの心について考えてみたい
「他人の心が分からない」という悩みについて改めて考えてみたい
普段読まないようなムズカシイ本にみんなで挑戦してみたい
じっくり本を読む時間は取れないけど、話は聞きたい
じっくり本を読む時間は取れないけど、渾身の質問をみんなで一緒に練り上げてみたい
【渾身の質問を考える!】平日夜の読書会──このゲームにはゴールがない
〈スケジュール〉 2024年11月14日〜12月12日、計5回、20時〜21時
第1回:2024年11月14日(木)20時〜21時
第2回:2024年11月21日(木)20時〜21時
第3回:2024年11月28日(木)20時〜21時
第4回:2024年12月5日(木)20時〜21時
第5回:2024年12月12日(木)20時〜21時
※ 第5回までに渾身の質問を考えることができなかった場合は第6回を12月19日(木)20時〜21時で開催予定です。
〈場所〉 Zoom(オンライン)
〈参加費〉 1,910円
〈対象書籍〉 『このゲームにはゴールがない──ひとの心の哲学』
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第一章 他者の心についての懐疑論
第二章 懐疑論の急所
第三章 懐疑論が示すもの
第四章 心の住処
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対象書籍のご購入は各自でお願いいたします。
本書を読んでいなくても、読書会にはご参加いただけます。
本読書会では対話を重視します。対話へのご参加をお願いいたします。
〈ファシリテーター〉 仲嶺真(なかみね・しん)
〈各回の内容〉
第1回:顔合わせ会(参加者の自己紹介と、読書会の進め方の説明)
第2回:1章の感想共有
第3回:2章の感想共有
第4回:3章の感想共有
第5回:4章の感想共有+渾身の質問を考える
読書会の進め方について
【第2−5回】
以下の流れで読書会を進めていきます。
チェックイン(簡単な挨拶)
本を読んで感じたことや疑問の共有
クロージング
〈本を読んで感じたことや疑問の共有〉
本読書会では、本書を読み進めていくだけでなく、古田先生への質問を考えます。質問を考えるために、いくつかの「事前課題」を参加者の方にはお願いしたいと思っています。具体的な「事前課題」は第1回のときに説明します。この「事前課題」に基づいて、感じたこと、思ったこと、疑問をお互いに共有します。その中からいくつか気になる問いをピックアップして、全員で話し合っていく予定です。なお、「事前課題」は必須(義務)ではなく、取り組める方に取り組んでいただくことを想定しています。
ただし、この場がどのように進行するかについて、決まった形式を想定はしていません。その場の流れとファシリテーターである仲嶺のご判断で、ここに記載のやりかたと違ったものになるかもしれません。
なお、第5回では、これまでの読書会を踏まえて、古田先生への質問を考える時間も作りたいと思います。
ファシリテーター紹介

仲嶺真(なかみね・しん)
1989年生まれ、沖縄県出身。荒川出版会会長。博士(心理学)。専門は心理学論、恋愛論。著書に『恋の悩みの科学──データに基づく身近な心理の分析』(分担執筆、2022年、福村出版)、訳書に『心理学における構成概念を見つめ直す──歴史・哲学・実践の次元から』(単訳、2024年、金子書房)がある。2019年、高知大学研究顕彰制度若手教員研究優秀賞受賞。
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注意事項
本読書会はZoomにて開催します。アプリをインストールしなくてもご参加いただけます(ブラウザからの参加可)。
本読書会は記録のために録画させていただきます。外部に公開することはありません。
本読書会では、適宜、ファシリテーターや参加者からの問いかけがあります。音声またはZoomのチャットでご対応できるご準備をお願いいたします。
本読書会の定員は20名程度です。
チケット購入後のキャンセルはできません。あらかじめご了承ください。
領収書に関しては、こちらをご確認ください。なお、弊団体には、適格請求書発行事業者登録番号(インボイス番号)はありません。
下記に当たる行為が判明した場合は受講をその場で打ち切らせていただくことがございます。1枚のチケットの複数名利用
読書会の進行を著しく妨害するような行為・発言レジュメの無断配布・アップロード
動画・写真の無断撮影・配布・アップロード
その他のお問い合わせについては下記にご連絡くださいarakawa.press(at)gmail.com ※(at)は@に変換をお願いします。
主催・問い合わせ
荒川出版会 X
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