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「リモートワーク」で「チームの一体感を作る・継続する」コツー業務プロセスの「見える化」ー

 今まで毎日顔を合わせて働いていたのに、急に「はい、今日から各自、自宅でリモートワークしてください」と、まあ、今日からとか明日からとかいうほど突然ではなかったでしょうが、気持ち的にはそれくらいの準備期間で多くの人が「リモートワーク」「在宅ワーク」に突入したと思います。

 それから長い人では1ヶ月がすぎ、タイトルをみて「今更?」な感想をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、キャリアコンサルティングをしていて、今だからこそ様々な思いが顕在化してストレスを感じいる人も増えてきたなと思っています。

 私のこれまでの経験上、リモートワークでチームの一体感をつくっていたものが何だったかな・・・と思い返しながら、コツを書いてみたいと思います。

オンライン会議に疲れる

そろそろ、FBの投稿やネットニュースの記事でもよく目にするようになりました。今までは、ちょっと隣の人に声をかけたり、必要があれば自分が相手のデスクに出向いて話をしたり、上司への報告も、上司の顔色見ながら、あ、いまだ。なんて思いながら上司の元に行ったり・・・で成り立っていた関係性。それがいきなり、顔が見えない環境になったので、管理者としては様々進捗を確認したいし、スタッフとしても話し相手が欲しい。そして、Zoomなどのツールを用いると、「なんだ、オンライン会議いいなーと思う。」からの、「これ、本当にみんなで同じ時間に顔合わせて話しなきゃダメ?」ということまで、すぐに会議が設定される。

はっきり言って、これだけでストレスです。それ以上に、もうすでにみなさんお気づきだと思いますが、オンライン会議システムは基本的に一人ずつしか話せません。いや、話している人以外の声だけでなく、相槌とともに発せられる「うん、うん」といった言葉も、ぶつぶつと言ったかもしれない反論も聞こえない。
となると、この会議の進め方は、実は、様々なストレスを生みます。まあ、慣れの部分もありますが・・・一朝一夕にはいきませんね。

子どもと一緒に在宅ワークをしている人にとっては、「オンライン会議」に参加することがストレスになっている人もいます。子どもが邪魔してきたり、生活音がどこまで聞こえているんだろうか・・とか、このテーマだけでもかなりのボリュームの記事がかけるので、詳しくはここでは割愛しますが、とにかく、業務進捗確認のためのオンライン会議や、みんなでオンラインでつながってれば、お互いのこと見えるし、会社にいるのと同じだよねー。といったのりで、常時接続とか、本当にムリです。
 あ、ちょっと話がずれました。

とりあえず、何を持ってチームの一体感を感じるの?というと、それぞれの仕事が互いの仕事を補完しあっていたり、チームみんなで業務進捗を共有することで、「成果」に向かっての現在地が確認できたりすると、それは「一体感」につながるわけですが、リモートワークだと何が欠如してしまうんでしょう・・・それは、

誰がボールをもっているかわからない

 社内外に多種多様なボールが行き来して、仕事が進んでいくと思うのですが、リモートワークですと、チーム内でそのボールが今どこにあるのか、そのボールをどのタイミングで、どのくらいの距離からどのくらいの強さで渡したらいいのかがわからない。また、社外に投げたボールが、相手先にあるのか、チームに戻ってきてるのかもわかりづらくなります。
チームとして業務プロセスの進捗を確認することはとても重要です。
 管理者の立場だと、特に、「あれどうなった?」「これ、どこまで進んでる?」と気になるでしょう。わからないことはストレスになりますから、どうしても、その度にオンライン会議やチャットで聞いたりするのですが、空気感をや表情を感じられないリモートワークの環境では、「いちいち確認される」ということもストレスになります。
 会社によっては、チームの中で、一部の人は出勤して、一部の人がリモートワークということもあるようですが、在宅でリモートワークしている人は、出勤している人たちは見えているボールが自分だけ見えないのではないか?という不安にも掻き立てられ、結果的には、不信感とか、自分は成果が出せていないとか、ストレスからでてきたネガティブな発想が頭の中を巡るようになります。

ということで、可能な限り、業務プロセスを「見える化」しましょう。
①業務プロセスを徹底的に細分化します。
 徹底的にです。普段自分が何気なくやっている、「このタイミングでメールを送る」といったことまで細かくです。
②皆で最低限共有する業務を抽出
 プロセス全部を共有できるようにするのは、管理のしすぎというのか、管理コストが上乗せされる状況になり、かえって非効率です。
 最低限、このプロセスを可視化し共有しておかないと、「抜け漏れが生じたときに後々の影響が大きいよね。」というところを抽出します。
見える化する
 抽出したプロセスをガントチャートでもいいですし、シートでも、なんでもいいです、チームみんながわかるように、入力ルールも共有しながら作成します。
 チャートやシートなどは、できれば、一人の人がベースを作って、ある程度のところでチームに共有、最後はチームみんなで完成させる。という流れだと運用がスムーズです。
④マインドセットとチェック
 見える化されたものが運用されて初めて効果を発揮しますので、まずはスタート時点でのマインドセットが大事!チームみんなで完成させて運用を始めるときの、「これを使ってみんなで業務の抜け漏れをなくそうね。」「もっといいサービスができるようにしよう!」「売り上げをあげていこう」など、チームのみんなで目指す目標やゴールなどの共有します。そして、そこに向かってみんなで一緒に走っていこう!というマインドセットが大事です。
 運用を始めたら、最初は翌日または2日後には使い勝手や、入力することそのものへの感想を聞きながら、スタッフのマインドチェックをしましょう。ここ。けっこう重要です。不満とまでは行かずとも、なんとなく嫌だな。面倒だな。という思いは小さいうちに対処することが大事!
⑤運用効果を皆で共有する
 日々の業務を行いつつ、定期的に、「見える化」させたチャートなどを使いながら、進捗確認のmtg時間を短く設定します。これにより、このチャートを使うことへの癖付にもなりますし、シートをより使いやすく、より業務効率をあげるための改善もたびたびできます。そうそう、最初から作り込まないことも大事です。
 そして、「これがあったから、抜けがなかったねー。」とか、「〇〇さんのナイスフォロー入ったよね。助かったー」など、具体的な実感を言語化してチームみんなで共有していくことで、徐々に、誰がボールをもっているかわからない事によるストレスは軽減、顔が見えない時間が永くなっても、チームの一体感を作り、継続していくことができます。

「見える化」をスタートさせるのはスタッフから

 ここで、ひとつ大きなコツがあります。
 「リモートワーク」は、どんなスタイルで、どんな場所で、どんな服装で仕事をしても、結果的に仕事が進んで成果を出せばいい。という意味で様々な「自由」を手に入れている環境になります。だからなのか、ちょっとでも「監視」とか「コントロールされる」ということに、敏感になりがちです。
 「見える化」させることを、管理者からの提案で始めると、必ずどこかで「面倒」「管理されたくない」といったネガティブな感情を抱きます。
 ですので、このメンバーの中から、自発的に、お互いのために「見える化」しないと、お互いに仕事しづらいよね。という気持ちが発生し、メンバーが自主的にやろうとすることが大事です。


 この記事を管理者の立場で読んでいらっしゃる方は、メンバーの中に、「リモートワークになって、業務の進捗がわかりづらく、動けません」といったような発言をした人がいたらチャンスです!その方にどうしたら現状を改善できるかチームで話し合うように、または、サブリーダー的な人に、こういうことを行っているスタッフがいる。という相談をして、みんながみんなのために「見える化」することをモチベートするようなコミュニケーションをしましょう!

 この「見える化」のための作業。先ほども書きましたが、ちょいちょいメンテナンスしないと続きません。メンバーからのポジティブで自主的なマインドが、運用を長く続けるコツになるので、管理者から「やってね」になると、継続しません。

 「業務の見える化」は、皆がオフィスに出勤するときも、普通にやっていることだと思いますが、「リモートワーク」という顔がいつも見れない、相手の雰囲気を察しづらい、いつも会話ができるわけではない。という制約が多くなればなるほど、「それぞれのメンバーが置かれている環境を知り、理解する。」という意味でも「見える化」させることが大切で、そのやり取りの中で、今まで以上にチームとしての一体感が生まれてきていると思っています。

すでに当たり前にやってる!と思われる方も、一度、「チームの一体感を作る」という視点で、見直しをしてみてください。案外、取りこぼされている業務や、ボールを探しに行って迷子になり、取り残されているメンバーがいるかもしれません。

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防衛大学校卒、元海上自衛官。その後ベンチャー、スタートアップ経験、経営経験、NPO立ち上げ経験、現在はフリーのキャリアコンサルタントとNPO事務局長の2足の草鞋を履く異色のキャリアコンサルタントです。「生きたいように生きる」がモットー!