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「……岳。目を開けてください、岳」 ささやき声に薄く目を開け、岳は思わず顔を顰めた。 …
商店街にあるたい焼き屋の前にはいつも賑やかだ。客がいれば客の行列、客がいない時にはスズ…
岳としぐれが暮らすマンションのすぐ近くにある商店街は活気がある。季節ごとのイベントもあ…
「冷蔵庫のしぐれ煮は残り10グラムですよ、岳」 「わかっている」 「バナナもです。すこやかバ…
こんにちは。 2023年2月1日よりまいにちお届けした「しぐれろく」は、3月より、週に1〜2回の…
朝の体重計測を終えたのに、しぐれが仔猫のままでいる。 なるほど。 今日はそういうタ…
「チーズと餅のもんじゃ焼きとウィンナー焼き、焼きそばをお願いします」 「それから、生ビールとびんいりのラムネもです」 岳が注文すると、すかさずしぐれが付け足した。 しぐれのおしゃまっぷりに慣れた店員は「小さいコップも持ってくるわね」と笑顔で受けてくれた。 二十坪くらいのもんじゃ焼き屋は時々食べにくる店だ。基本的に外食は避けるようにしているのだが、岳だってたまには生ビールを飲みたい日もある。 鉄板座卓が8席の店は十八時を過ぎると宴会客もくるので、岳がしぐれを連れてくる
「あ」 おにぎりを作ろうとしてラップを引っ張ったら、切れた。岳は淡々と、ストックしてあ…
いつものスーパーに買い物に出かけると、風除室のカート置き場に見慣れないものが並んでいた…
洗濯物を片付けてリビングに戻ると、しぐれがいなかった。 さっきまで着ていたものがテレ…
現在時刻〇二〇二。脈拍、呼吸、体温すべて異常なし。熟睡。 素早くチェックした金色の瞳…
「!」 買い物に行くためにマンションを出たところで、しぐれが急に立ち止まった。 しぐ…
「こ・こ・か・らキラキラ こ・こ・か・らシャイン♪」 リビングでしぐれが歌っている。 …
しぐれはミューミント、Animal-Intelligence計画に基づき作り上げられた諜報用装備である。 ハンドラーである岳はしぐれに「ふつうの暮らし」を体験させている最中であるが、訓練が必要なのは言うまでもない。 「しぐれ。今日の午後は訓練だ」 朝食をとりながら言うと、コップを両手で持ったしぐれがわかりやすく口を尖らせた。 「えー。明日にしませんか」 「明日のほうが絶対に寒いぞ」 「……はぁ。仕方ありませんね」 ミューミントという特殊な性質を持っているとはいえ