仕事を楽にするための丁寧なPython入門①〜環境構築してコード実行ができるようになるまで〜
こんにちは。エンジニアから経理になったアライです。
経理は定型業務が多いのでプログラミングとの相性が良く、日々の業務をプログラムに落として後は実行するだけ、という状態にすることで仕事をできるだけ楽にするようにしてます。
日々の定型業務の自動化という観点ではそこまで難しいプログラムを書いているわけではなく、基本的なものを組み合わせることで実現できています。
なんならChatGPTに聞くとコードは書いてくれますしね。
職種関係なく作業ベースの仕事はPythonに任せて早く帰りましょ〜というテーマで、全くの初心者でもPythonのコードが書けるように丁寧に最初から解説していこうと思っており、その1本目の記事になります。
入門編として環境構築や基本的な文法などの土台を、実践編として実務に基づいたサンプルケースを用意し、Pythonでどう課題を解決していくのか、という感じで紹介していこうと思っています。
このシリーズでは、プログラミングを覚えて未経験からエンジニアになろうとか、プログラミングで副業しよう、みたいなことは言いません。
あくまでも仕事を楽にするための無料で使えるツールとしてPythonを紹介していきます。
読んでいただいた方が仕事に活かしてくれて、仕事に費やす時間が減ったと実感頂けることを目標に書いていきます。
※OSはWindowsになります。
このnoteでわかること
数あるプログラミング言語の中でなぜPythonなのかがわかる
プログラミング言語とライブラリについて理解できる
Pythonの環境構築をし、自分のPCで実際にコードが実行できる
なぜPythonなのか
プログラミングといっても、色々なプログラミング言語があります。
Java、PHP、JavaScript、Ruby、Swift、Kotlin、Scala、Go、などなど。
それぞれに特徴があって、何を目的にするのかで選ぶプログラミング言語が変わってきます。
例えば、iOSのアプリ開発だったらSwift、アンドロイドのアプリ開発だったらKotlin、WebアプリのUI開発だったらJavaScript、そのサーバー開発だったらGo、のような感じで。
日々の定型業務の自動化という観点から何を目的にプログラミングするのかと言うと、
ブラウザ操作の自動化
エクセルやスプシ操作の自動化
フォルダやファイルのコピー、名称変更などの操作
取得したデータの加工や集計、それをグラフなどで可視化
のようなものになってくると思います。
上記に挙げたような動きをプログラムするのに適した言語がPythonというわけです。
ライブラリについて
Pythonが適しているのはわかったけど、結局理由になっていない、、と思う方もいると思います。
理由としては、他の言語よりも上記に挙げたような目的を達成するためのライブラリが充実しているから、になります。
ライブラリとは何かというと、文字通り図書館で、色々な本や資料があることをイメージいただくとわかりやすいかと思います。
この本や資料を手元にインポートすることで利用することができます。
プログラミング言語はそれだけですべてを実装しようとすると大変です。
例えば仕事でよく使うエクセルの操作をPythonですべて実装しようとすると、エクセルの裏側を知ったうえで色々と頑張る必要があります。(私もよくわからないのでとにかく大変だと思っていただければ。)
そこで、xlwingsというPythonでエクセル操作ができるライブラリを利用し、新しいエクセルを開いてA1にテストと入力、その後ファイルを保存というコードを書くと、
import xlwings as xw
# 新規のExcelファイルを開く
wb = xw.Book()
# シートを指定 (デフォルトのシートを使用)
sheet = wb.sheets[0]
# A1セルに"テスト"を入力
sheet.range('A1').value = 'テスト'
# ファイルを保存
wb.save('test.xlsx')
のように簡単に書くことができます。
(コードの意味は実践編で解説するので今は無視してください。)
イメージとしては、自分ひとりで教科書見て勉強するのは大変だけど、分かりやすい参考書を見ながら勉強すると理解できて受験合格できた。みたいな感じですかね。
環境構築してコードを実行してみよう
これまでの内容でPythonを使う理由とライブラリとは何かというのが分かったと思うので、簡単なコードを実行してみましょう!
そのために必要なものをインストールします。
ターミナル
ターミナルはPCに直接命令するためのインターフェースです。
この命令のことをコマンドと言います。
ターミナルはPCに標準装備されているので、虫眼鏡マークのアプリ検索(ショートカットはWindowsキー + S)で"ターミナル"と検索して立ち上げてみましょう。
私のターミナルは少しカスタマイズしていて見栄えが違うと思いますが、このような感じの黒い画面が表示されていると思います。
これから先色々なコマンドを紹介していきますが、コマンドを入力すると言えばこのターミナルに入力すると覚えてください。
VSCode
次に、コードを書いていくためのエディタというものをインストールします。
イメージとしては画家に例えると、コードが絵の具や筆だとしたらエディタはキャンパスのようなものですかね。
エディタも色々ありますが正直VSCode一択です。
コード補完や色々な拡張機能がとても便利なので。
以下のサイトにアクセスして、Download for Windowsをクリックするとダウンロードできます。
ダウンロードしたexeファイルをクリックしてVSCodeを起動してみましょう。
以下のようなWelcomeページが表示されていればOKです。
もしかしたらチュートリアルが始まるかもしれませんがいい感じに流してください。
Python
本命のPythonをインストールしましょう。
PythonのWebサイトにアクセス。DownloadsにあるDownload for Windowsの下の"Python バージョン名"をクリックするとダウンロードできます。
2024年12月現在、ダウンロードするのはPython3.13.1です。
ダウンロードしたexeファイルをクリックしてインストーラーを起動します。
Add python.exe to PATHにチェックをいれてCustomize installationをクリック
以下のようなチェックでNext
Advanced Optionsはそのままで、インストール
Setup was succesfullと表示されればインストール完了です。
先ほどのターミナルに以下のコマンドを入力して動くか確かめてみましょう。
py --version
pyというのがpythonを実行するときのコマンド、--versionがバージョンを表示するコマンドとなっています。
コマンドが実行でき、バージョンが表示されると思います。
もしエラーが出る場合、後述の"pyやpipでエラーが出る場合"を参照ください。
以上でPythonのインストール完了です。
pip
pipは何かというと、Pythonのライブラリを管理するためのものです。
ライブラリはpipを通してインストールし、他にもこれまでにインストールしたライブラリの一覧を見たり、各ライブラリのバージョンをアップデートしたりダウンデートしたりすることが出来ます。
pipも後々利用していくのでこういうのがあるんだなーと思っていてください。
pipはPythonをインストールすると付属されるので、ターミナルからバージョン確認してみましょう。
pip --version
pipコマンドはpipを実行するためのコマンドです。
pip install ライブラリ名でライブラリをインストールすることができます。(実践編で解説します)
ちなみにpip listで使用できるライブラリを確認することができます。
元々はいっているものもあれば外部からインストールしたものも含まれます。実践編では色々なライブラリを使用するつもりなのでお楽しみに!
以上でPythonを実行するための環境が用意できたので、簡単なコードを実行してみましょう!
pyやpipでエラーが出る場合
エラー出ていなければスキップしてください!
pyやpipコマンドでエラーが出る場合、PATHが通っていない可能性があります。
PATHを通すとは何なのかは一旦置いておいて、以下お試しください。
アプリ検索から"環境変数"と検索。システム環境変数の編集をクリック
環境変数をクリック
ユーザー環境変数のPathにカーソルを当てて、編集をクリック
そこに、以下のPathがリストにあるか確認する。
// ユーザー名にはご自身のユーザー名が入ります。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Python\Python313\Scripts\
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Python\Python313\
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Python\Launcher
ない場合、新規から追加する。
※今回はPython3.13をインストールしているのでPython313となっています。
次にシステム環境変数も同じようにPathにカーソルを当てて編集をクリックし、以下のPathがない場合、新規から追加する。
// ユーザー名にはご自身のユーザー名が入ります。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Python\Python313\Scripts\
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Python\Python313\
その後ターミナルを再起動し、試してみてください。
Hello, World! を実行する
プログラミングを学び最初に書くプログラムは"Hello, World!"を出力すること、というお作法があります。
由来について書いてくれている記事がありました。
興味があれば見てください。
ということで、VSCodeを開き、左上のFileからNew Fileをクリックしてください。
その後以下のような画面になると思うのでPythonと入力しPython Fileを選択してください。
新しいPythonファイルが作成されると思うので、以下のコードを書いてください。
print("Hello, World!")
printというのは()に受け取ったものを出力するプログラムです。
この()に受け取る値を引数(ひきすう)と言い、引数を受け取って処理を実行するものを関数と言います。
つまり上記はprintという関数に"Hello, World!"という引数を渡しています。
詳しくはPython文法編で解説しますので一旦そういうものなんだなと思っていただければ。
VSCodeに書くことができたら左上のFileからSaveをしてデスクトップフォルダに保存しましょう。
ファイル名はhelloworld.pyとしておきましょうか。
.pyはPythonファイルの拡張子です。
最後にターミナルからhelloworld.pyを実行します。
詳しいことは次回の記事に書きますが、ターミナルを起動するとホームにいる状態であり、先ほど保存したデスクトップに移動する必要があるので、以下のコマンドをターミナルに入力してください。
cd Desktop
cdというのがchange directoryの略です。directoryとはいわゆるフォルダのことですね。
ちなみにDeskぐらいでTabを押すことで入力を補完してくれます。
現在デスクトップフォルダにいる状態で、先ほど保存したPythonファイルが存在するはずです。
lsというコマンドを打って、存在するか確認しましょう。
lsはlistの略で、現在いるフォルダの中身を出力してくれます。
helloworld.pyが存在することが確認できると思います。
それでは最初のプログラムを実行しましょう。
pythonを実行するためのコマンドはpyでした。
py ファイル名とすることでPythonファイルを実行できます。
py helloworld.py
こちらもhelloぐらいでTabを押すと入力を補完してくれます。
Hello, Worldという文字が出力されていれば成功です。
おめでとうございます!
環境構築をし、最初のプログラムを実行することができました。
次回は最低限覚えておきたいターミナルの基本用語やコマンド集になります!
Pythonの環境構築とプログラムの実行について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
今回は文字を出力するだけというプログラムでしたが、学んでいくとPythonは色々できると気付いていき、その威力に驚くと思います。
何よりプログラムは嫌な顔せず動いてくれるので、退屈な仕事はPythonに任せて自分を楽にすることができます。
以上入門編①でした!
次回の記事ではターミナルについてもう少し詳しく解説したいと思います。
ターミナルの動かし方を知っていることが後々大事になってくるので。
ターミナルについて基本的なことが理解出来たら、Pythonの文法を解説、その後実践編へと移りたいと思っています。
読んでいただきありがとうございました!
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