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『ミニマリスト式超貯金術: 20代で1,000万円貯めた6ステップ』を読んで
「ミニマリスト式超貯金術: 20代で1,000万円貯めた6ステップ」書評——貯金は我慢じゃない、脳内断捨離のススメ
はじめに
「貯金=我慢」というイメージをぶち壊す一冊が登場した。著者・なにおれ氏は、**「年収アップや副業より、まずは支出を下げろ」と断言し、20代で1,000万円を貯めた実践法を6ステップで解説。しかし、この本の真骨頂は「貯金術」ではなく、「欲望との付き合い方」**を教えてくれる点にある14。
「毎日コンビニコーヒー我慢すれば貯まる」的な陳腐な節約本とは一線を画す。むしろ、「なぜ貯めるのか?」を問い直し、脳内のゴミを捨てることで自然とお金が残る仕組みを提案する。今回は、この本の「普通じゃない」視点をユーモア交じりに解剖してみよう。
1. 「理想の暮らし」を妄想せよ——貯金は脳内デザインから始まる
本書の第一歩は、「理想の暮らしを言語化する」こと。例えば、「自宅で働く一人社長」像を「5:30起床→コーヒーを淹れ→ブログ執筆」と超具体的にイメージする7。
ここでのポイントは、「ワクワクする未来」をリアルに描くこと。なにおれ氏いわく、「欲望をコントロールするには、欲望の先にある『幸せ』を明確にせよ」とのこと。つまり、**「貯金=未来への投資」**だと気付かせる仕掛けだ19。
「将来のために我慢」ではなく、「理想の自分になるために今を選ぶ」——この発想の転換が、従来の節約本との決定的な違い。ちなみに、妄想が具体的すぎて「恥ずかしい」と感じたら、それは成功の証らしい(笑)7。
2. モノを捨てるなら、人間関係も捨てろ——「物理&精神の断捨離」
ステップ2では、「家の中の8割を手放す」と宣言。しかし、物理的な断捨離以上に辛辣なのは、「自分に合わない仕事」「大切でない人間関係」まで捨てろというアドバイス14。
例えば、「乗り物必須の住環境」を捨て、職場まで徒歩圏内に引っ越せば、自動車維持費が削減できるだけでなく、ストレスが減り意思力が節約できると説く910。さらに、「SNSでキラキラ生活を見るな」と警告し、**「他人の欲望に巻き込まれるな」**と喝破。まさに、ミニマリズムは「モノ」だけでなく「情報」の整理術でもある10。
「友達を選べないなら、せめてSNSのフォローを整理しろ」——これぞ、21世紀型ミニマリストの生存戦略だろう。
3. 食費削減は「自炊」じゃない——「パターン化」で脳を省エネ
ステップ3の「食費削減術」は、従来の「自炊推奨」を超える。なにおれ氏は、「週末に5日分のおかずを作り置き」「毎日のメニューを固定化」することで、「選択疲れ」を防止する14。
「今日何食べよう?」と迷う時間すら無駄と切り捨て、「食事は燃料補給」と割り切る姿勢が痛快。さらに、「お菓子は買っていい個数を決める」「水筒を持ち歩く」など、「ルール化」で欲望をシャットアウトする方法も紹介4。
「デートは家計簿レビュー会」というアイデアには苦笑しつつも、**「貯金=夫婦の共通プロジェクト」**という発想は現実的だと納得。ちなみに、妻と月13万円で生活する著者の現在の食費は…気になる方は本書をチェックだ47。
4. 副業は「娯楽化」せよ——内発的動機が貯金を加速する
副業を「稼ぎたいから」ではなく、**「学びたいことの情報発信」として始めた著者。結果、副業が「趣味」になり、収入源としても機能したという14。
ここでの核心は、「お金のために働くな、自分の成長に投資せよ」という逆説的なメッセージ。例えば、「ブログで発信→フォロワー増加→広告収入」という流れは、「楽しみながら貯める」モデルだ7。
さらに、「自己投資にはお金を使わない」**と断言し、無料の情報や既存のスキルを活用する姿勢も参考になる。「YouTubeで勉強して株式投資を始めた」というエピソードは、現代ならではの貯金術と言えよう45。
5. 貯まっても生活変えるな——「マンネリ化」こそ最高の状態
最終ステップは、**「お金が貯まっても生活水準を上げるな」という意外な結論。著者は「生活のマンネリ化は必然」と認めつつ、飽きたら「引っ越し」で環境をリセットする方法を提案14。
ここでの教訓は、「貯金=安心の貯蔵」ではなく、「貯金=自由の選択肢」**であること。例えば、「仕事を辞めても生きていける」という安心感が、逆に仕事への意欲を高めるという逆説的な効果910。
ただし、本書のラストで著者が自身の他の著作をこれでもかと宣伝する様子は、「ミニマリストなのにマキシマムな営業!」とツッコミたくなる(笑)。「Kindle Unlimitedで読めるよ」と勧めつつ、自身の本は有料という矛盾も…まぁ、ビジネス・ミニマリズムという新ジャンルか?57。
終わりに——貯金は「自己理解」の旅である
この本は、単なる貯金マニュアルではなく、**「自分は何を求め、何を捨てるのか」を問う哲学書だ。なにおれ氏の方法論が全ての人に合うわけではないが、「支出削減=幸せの最適化」**という視点は普遍的に刺さる。
特に、「SNS比較病」に悩む現代人には、「他人の欲望に振り回されるな」というメッセージが効く10。貯金が苦手な人も、「理想の1日を妄想する」だけで、なぜか財布の紐が締まる——そんな魔法のような効果を期待して、一度手に取ってみては?
「お金を貯めるなら、まず脳内のゴミを捨てろ!」——これが、なにおれ流ミニマリスト貯金術の核心である19。